ワ―ケーションが生き方を変える! リーマントラベラー東松さんの旅スタイルその0

ワ―ケーションが生き方を変える! リーマントラベラー東松さんの旅スタイル

2021-04-21
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広告会社に勤務しながら、70カ国159都市を巡った経験をもつ “リーマントラベラー”東松寛文(とうまつ ひろふみ)”さん。コロナ禍におけるライフスタイルの変化や、ニューノーマルな旅として提唱されている「ワ―ケーション」についてなど、働きながら旅をする“旅の達人”に、コロナ禍における旅スタイルについて伺いました。
ワ―ケーションが生き方を変える! リーマントラベラー東松さんの旅スタイルその1

外に出れない状況で、どう楽しむか?を考えて実践した1年

――――週末の海外旅行をライフワークにしてきた東松さんですが、この1年はどんな変化がありましたか?

海外旅行に行けなくなったことで、仕事と旅がいかに僕の生活において重要だったかを痛感しましたね。旅というご褒美が待っていたからこそ仕事を頑張れたし、仕事という終わりがあるからこそ、旅も思いっきり楽しめていんたんだと、あらためて気づかされました。
ワ―ケーションが生き方を変える! リーマントラベラー東松さんの旅スタイルその3
△現地の人と触れ合うことが、東松さんの旅スタイル。一番上はコロナ禍前に、最後に行ったブラジル旅行での一幕。


――――ライフスタイルにどんな変化がありましたか?

僕は、現地に行かないと分からないもの、体験できないことに出会いたくて旅をしていたんです。調べても分からないことを知るというか。でも、それは日本にいてもできると気がついて、僕なりの新しい旅スタイルを実践しています。今は、例えば、韓国ドラマを見ること。


――――どういうことでしょうか?

もちろん、エンターテインメントであることはわかっていますが、作品の設定や世界観を通じて韓国のカルチャーにふれられたり、ストーリーを通じて国際問題を知れたりなど、現地の人の視点に出会えます。観光スポットを巡ったり、おいしいものを食べるだけでは、生まれない“気づき”です。これもある種の“旅”だと思っています。他にも、「インドで食べたあのカレーの味を再現しよう!」と思ってカレーづくりにも挑戦しているんですが、これもカレーをテーマにした旅だと思っています。もともとカレーは大好きでしたが、つくるという発想はなかったですから。
△東松さんのカレーレシピは『レタスクラブ』に“海外旅行欲を満たすレシピ”として掲載されたことも。


――――カレー愛は、ご自身のYouTubeチャンネル「リーマントラベラー」などでも語られていますね。

そうですね。「いつ海外に行けるか?」とただ、待っていてもしょうがないので、行けないなかでどうしよう? という風に考えましたね。外出自粛中はオンラインで海外の方とつながって、ニュースでは知れない現地のリアルな生活などが聞けたのも貴重な経験でした。去年の4月には、そういう視点で考えるようになっていましたね。超ポジティブなんで(笑)
――――YouTubeチャンネルでの発信はコロナ以降にはじまりましたね。

はい。ライブ配信自体はじめてだったんですが、見てくれる人がいる、リアクションがあるという発見がありましたね。チャレンジってやる前はドキドキするけど、やったあとは必ず達成感や爽快感があるじゃないですか、それって僕のなかで旅に似ていると思っています。

僕、旅は好きなんですが、現地に行くまでは実は億劫だなって思っているんです(笑)。家で過ごすのも好きなので。でも、いざ現地につくと楽しくなってくるんですよね。億劫なことを頑張るので、それをクリアするたびに、達成感を感じられるのかもしれません。そいう意味では、「旅に行く」という行為以外でも、旅体験はできるんだと気がつきました。


――――国内旅行も楽しんでいらっしゃいますが、最近はどんな旅をしていますか?

前提として、あくまで万全な体調でしっかり対策したうえでいくことが今は大事です。そのうえで、何か目的意識を持って旅をすることがいいと思います。僕は、人の暮らしに興味があって、アイヌに興味があったので、北海道に行きました。

特に、網走にある北方民族博物館は、グリーランドのイヌイットからスカンジナビアのサミなど、北方の諸民族を対象とした展示があるんですが、すごく楽しかったですね。国内でも、海外の知らないカルチャーを知れるんだというのも発見でしたね。
△北方民族博物館にて。アイヌに興味をもったのはマンガ『ゴールデンカムイ』だそう


――――他にも興味のある場所はありますか?

国内でも、海外旅行くらいの期間がないと行けない場所に行きたいと思っていて、小笠原諸島とか、鹿児島のトカラ列島などは興味がありますね。海外もそうなのですが、直行便がある都市ではなく、もうひとつフライトしたり、船に乗ったりするなど、移動にひと手間加えることで、すごく面白い体験にたどり着けると思いますよ。

旅は自分の興味や強みをあぶりだしてくれる

――――最近は、ワ―ケーションという言葉も生まれています。会社員としてどう思いますか?

コロナ以前に、2回ほどハワイでやったことがあるんですが、すこぶる捗りました。日常のなかで仕事をしていると、“時間をかけたほうが質があがる”と思って、ダラダラしてしまいがちです。でも、旅行に行っていると、楽しみがすぐそこに待っているので、早く終わらせたいんですよ。だから集中力も高まり、締め切りへの意識も変わるんです。非日常空間にいるからこそのアイディアも出てきますし。

ただ、単に今ある仕事を加速させるためにやるのはもったいないと思っています。人間は日常と非日常を行き来することで、気づけることって多いと思うんです。非日常にいることで、本来の自分があぶりだされてくるというか。旅行は時間制限があるので、興味のないことは基本やらないじゃないですか。

旅先での行動や選択から、自分の強みや興味が見えて来るので、旅のあとにしっかり振り返って、自分と向き合う時間をつくることも旅の醍醐味だと思います。そういう意味では、日常と非日常を行き来しやすいワ―ケーションは、今の仕事を捗らせることに加え、未来の仕事や生き方につながるヒントに出会いやすいかもしれませんね。


――――ヒントに出会うには、どんな場所を選ぶとよいでしょうか?

ご褒美がすぐに待っているエリアを選ぶことは大事ですね。海に入りたければビーチの近く、食べたい料理があればその店の周辺など。さらに、やったことがないアクティビティがあったり、行ったことない場所があったり、より非日常体験ができる場所・コトを意識することで、今の仕事だけでなく、未来の仕事が変わってくると思います。
△取材は都内某所のオフィスからオンラインで実施。


――――オフィスの外から取材すれば良かったと後悔しています……。

(笑)。ただ、すべての職種が実行できるものではないですし、制度化しやすい職種だったとしても経営層も含めた意識改革や、いろいろなシステムを変える必要もあるので、全員にフィットする働き方ではないんですけどね。


――――会社員らしいお気遣い! 今回はありがとうございます
◆東松 寛文(とうまつ ひろふみ)

1987年岐阜県生まれ。リーマントラベラー・休み方研究家。平日は広告代理店で働く傍ら、週末で世界中を旅し、7年間で70カ国159都市に渡航。2016年、3ヶ月で5大陸18カ国を制覇し、世界一周を達成。TV・新聞・雑誌等のメディア出演・執筆多数。全国各地で講演も実施。著書に『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』(河出書房新社)、『休み方改革』(徳間書店)など日本&台湾で発売中。朝日新聞社にて『リーマントラベルサロン』も主宰する

おわりに

「海外では仕事と休みをきっちり分けるため“ワ―ケーション”という考え方自体が日本的なんです」とも語っていた東松さん。「忙しいから旅に行けない」と嘆いてしまいがちですが、マインドセットひとつで、旅を楽しみながら、仕事と向き合うことができます。旅先で働きながらも自分と向き合って、新しいアウトプットにつなげていく。「忙しいからこそ旅をする」そんなセリフが言えるライフスタイルを目指したいものです。

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