岩手県盛岡・雫石町にたたずむ450年余りの歴史を持つ鶯宿(おうしゅく)温泉。その中で、唯一自家源泉を持つ湯量が豊富な温泉旅館「長栄館」は、日本旅館のさりげない心配りを大切にした心に残る宿です。洗練された和モダンな部屋で過ごし、源泉から湧き出るままに湯殿を満たす源泉掛け流しの湯に浸かる。さらに、ひと味違う山の幸料理を楽しむ旅の醍醐味を味わってみませんか。
文/小林優子
盛岡の奥座敷にある名湯、鶯宿温泉
大自然に抱かれた盛岡市雫石町の奥座敷にひっそりとたたずむ鶯宿温泉。名称の漢字一字一字が表すとおり、この温泉には”鶯(ウグイス)”にまつわる伝説があります。ウグイスが温泉の湯に浸り、傷を癒す姿から「鶯宿」と名付けられたとされ、毎分3,000ℓを超える豊富な湯量と良質な泉質が、今もなお多くの人を虜にしている温泉です。
開湯は、安土桃山時代の天正年間。450年余りも前のことになります。東北の戦国武将たちもこぞって入湯したと伝わる歴史ある湯殿に浸かり、当時に思いを馳せるのもいいかもしれません。
源泉かけ流し、毎分1,000ℓの美人の源泉
鶯宿温泉の中でも特に豊富な湯量を誇るのが、源泉掛け流しの温泉旅館「長栄館」です。鶯宿温泉で唯一、専用自家源泉を持つ宿で、湯出量はなんと毎分1,000ℓ! 湯殿は100%源泉かけ流しで、全国でも1%しか存在しないと言われる無加水、無加温、無ろ過の正真正銘の天然温泉です。
泉質は、美容効果があるという「アルカリ性単純泉」。「化粧のノリが普段と全然違う」「肌に優しい」などの声も多く聞かれ、女性から泊まりたい宿として支持を得ています。いつでも新鮮な温泉を楽しむことができる源泉掛け流しの宿で、上質な時間を過ごしてみませんか?
料理長渾身の“和魂洋菜料理”が絶品
太平洋側に位置し、山々に抱かれた岩手県には、山の幸と三陸の海の幸が豊富にそろいます。「長栄館」は鶯宿温泉の中でも特に山の奥地にあり、山の幸に恵まれた立地。この山の味覚を駆使して料理長が提案するのは「和魂洋菜料理」と称した、旅館の夕食の概念を覆す新スタイルの和食です。これまでとは違う調理法を用いて、ちょっとしたアイデアを加えた、ひと味違う山の幸料理を味わえるのが魅力です。
長栄館オリジナルのブランド牛やアワビを使った料理をはじめ、未知の料理に出会える瞬間は、旅の醍醐味。大げさではなく、長栄館で味わえる料理自体が盛岡周辺の特産品に値すると言っていいほど、自慢の逸品ばかりです。
和洋折衷の館内でのんびり
館内に入るとすぐ目の前は、広々としたロビー。玄関奥に広がるゆったりしたラウンジでは、窓越しに鶯宿川のせせらぎや四季折々の風景を楽しめます。カフェを併設したロビーで、自由に読めるたくさんの本に囲まれながら、時間を忘れて読書に興じるのも贅沢なひととき。
和風旅館には珍しくエステも館内にあるので、女性の癒し旅にもぴったりです。時間の流れをつい忘れてしまう自然が織り成す非日常の空間で、のんびり過ごすことができますよ。
一番風呂を狙うなら朝5時半
加水や加温をしない、無ろ過の源泉かけ流しの湯は、毎日少しずつその特色が変わります。熱くなったり、ぬるくなったり、白濁したり、とろみが増したり…。湧き出すままに何も手を加えない温泉に、連泊して浸かれたら最高に幸せですよね。
朝の入湯開始時間に合わせて毎日お湯を入れ替え、新しい湯を注いているので、朝5時半には一番風呂が楽しめます。周囲のさわやかな空気と新鮮なお湯は、早起きしてでも体感する価値があります。朝食の和食膳を味わう前に、朝風呂を浴びてみてはいかがでしょうか。
◆長栄館
住所:岩手県岩手郡雫石町鴬宿第6地割7
電話:019-695-2121
チェックイン:15:00 チェックアウト:10:00
「長栄館」公式ホームページはこちら