JR山陽本線などが走る山口県の岩国駅から徒歩圏内にある洋菓子店「ラ・ポルト・ルージュ」。本場ヨーロッパでフランス菓子作りの修業を積んだパティシエであるオーナーが、故郷の岩国に戻り、共にパティシエとして活躍する奥さまと営む、フランス菓子の有名店です。岩国を訪れたら、至高のケーキを味わい、幸せなひと時を過ごしてみては。
Text:小林優子
フランスアンティークの赤い扉が目印
店名はフランス語で「赤い扉」という意味。オーナーパティシエの修業先のひとつで、フランス・ブルターニュ地方に赤い扉が印象的な町があり、その光景をイメージして店名が名付けられたと言います。
実際の入り口ドアも、フランスから取り寄せたアンティークの赤い扉。かわいらしい扉を開けると、フランスやルクセンブルク、ベルギーで4年間の修行を経て本格フランス菓子を学んだパティシエによる、目にも美しいケーキや焼き菓子が並びます。岩国へ行ったらぜひ、訪れたい洋菓子店です。
原材料をとことん吟味した、風味が引き立つ焼き菓子
こちらのお店では、吟味した原材料それぞれの良さを生かす組み合わせを考え、伝統菓子のレシピに敬意を払いつつ、パティシエの想いやインスピレーションを加えた本格派の洋菓子が揃います。焼菓子には主に発酵バターを用いることで、焼き上がると芳ばしい香りが立ち、その味わいには奥行きを感じ、風味も引き立ちます。
ナッツなどの原材料は、様々な国の産地のものを厳選するこだわりよう。パティシエは、そんな素材との出合いを大切にし、原材料それぞれの持ち味を生かした最適な焼き菓子へと仕立てていきます。サクサクッ、ホロホロッ……と楽しい食感。ナッツたちが奏でる香ばしいハーモニーは格別です。
ヨーロッパ仕込みのプチガトーは至福の味わい
ケーキは20~25種類とバリエーション豊かで、なかでも人気なのがプチガトー「アンジェロ」です。グラッサージュの光沢が美しい「アンジェロ」は、カリブ海沿岸のカカオを原料とするチョコレートを使った濃厚なムースに、バニラたっぷりのクレームブリュレをしのばせた、大人の味わいが魅力。オーナーパティシエがベルギーで磨いた技術が光る逸品として、定評があります。
「ラ・ポルト・ルージュ」のモットーは、“口の中に広がる一瞬の至福を味わえる洋菓子作り”。至高のケーキは、記憶に刻まれる甘い余韻を残します。
芸術的な美しさが話題のアニバーサリーケーキ
アニバーサリーケーキのなかでも一目置かれているのが、フリルの装飾がきれいなバースデーケーキ「ドレス」(1週間前から前日までに予約が必要)。きめ細やかなスポンジ生地に、こだわりの純生クリームとイチゴをサンドし、その周りにドレスのフリルのように生クリームを絞ってデコレーションを施した、芸術的なホールケーキです。「舌の上でさらっと溶ける、本当の生クリームのおいしさを味わっていただきたい……」。そんなパティシエの思いから、ケーキには良質な生乳から作られる純生クリームのみを使っています。その上質な味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。