山形県上山市は、新幹線が停車する「かみのやま温泉駅」を有するアクセス良好のエリアです。古くは上山城の城下町として栄えたこの地は、当時の風情が今もなお息づく温泉地です。また、初夏のサクランボをはじめとする一年中楽しめる「フルーツの郷」、日本有数のワイン用ブドウの産地としても注目されています。
さらに上山市では、先進ドイツにならい「健康保養地」を意味するクアオルトのまちづくりに取り組んでおり、自然・温泉・食などの地域資源を活かしたプログラムが人気です。温泉、フルーツ、ワイン、健康と女性が好きなものがギュッと詰まった上山市への旅を提案します。
Text:小林智明
都会の喧騒を忘れる大自然の中、クアオルト体験を
最初に紹介するのは、「かみのやま温泉クアオルトスタイル」です。クアオルトの魅力の一つに、地形や気候の要素を生かした医科学的根拠に基づいた健康ウォーキングがあります。温泉街からすぐ近くの里山から準高地まで多様なコースが設けられ、山の傾斜を活用したコースは、平地よりも運動効果がアップ。また、土やウッドチップの上を歩くことで、足への負荷を抑えながら心身ともにリラックスすることができます。
専門ガイド付きの「空色・暮色ウォーキング」は、年間360日開催。専門ガイドは自然の知識が豊富、心拍も計測するので初心者でも安心です。毎日午前と午後に開催され、気軽に参加できるのもいいですね。さらに上山産の食材を使い、栄養バランスのとれた旅館や飲食店の食事と合わせて、ココロとカラダを癒してみませんか?
浴衣で湯巡りしたい温泉城下町
健康ウォーキングを体験したあとは、温泉でほっこり。かみのやま温泉は開湯560年を越える、会津の東山、庄内の湯野浜と並ぶ「奥羽三楽郷」の一つの温泉街です。街には、昔ながらの外湯(5箇所)や足湯(5箇所)が点在。すぐ近くには、上山城や武家屋敷を備えた城下町があり、浴衣姿でそぞろ歩きを楽しむなんて、風情があっていいですよね。
弱アルカリ性の温泉は肌に優しく、赤ちゃんでも入れるほど。また、「美人の湯」とも称されているので、女性にはうってつけの温泉ですよ。足湯は無料Wi-Fi完備です。なお、料金は外湯が大人150円、足湯が無料。シャンプーをする人は洗髪料として+100円が必要です。
もぎ取り体験&パフェも魅力の「フルーツの郷」
山形の名産といえば、サクランボが有名ですよね。上山市は、初夏のサクランボに始まり、シャインマスカットなどのブドウ、スモモ、モモ、リンゴ、ラ・フランス、紅柿など、一年を通して果物を楽しめる「フルーツの郷」なのです。大人気のサクランボは、有名な佐藤錦はもちろん、紅秀峰や紅さやか、大将錦などたくさんの品種が時期によって楽しめます。
市内には8つの観光観果樹園があり、季節に応じてフルーツのもぎ取り体験ができるのも魅力。なかにはカフェを併設している果樹園もあるので、とれたての果物を使って、自分だけのオリジナルパフェを作って味わえますよ。その果樹園が並ぶフルーツラインは、たわわに実った果実や実る前の満開の花を眺めながらのドライブやツーリングにもおすすめです。
ブドウの質がいいからワインも美酒揃い!
フルーツだけでなく、ワインも見逃せません。気候・風土が果物栽培に適した上山市で育ったブドウの質は、大手醸造メーカーも認めるほど。市内には2つのワイナリーがあり、上山産ワインは各旅館でも楽しめます。
ワイン好きにおすすめは、ワイナリー見学です。畑を散策したり、作り手の思いなどを聞きながら試飲することも。数ある種類のなかから、お気に入りのワインを見つけてみて。また、地元関係者が集まり開発した上山オリジナルワイン、「かみのやまテロワール」が2017年に登場。上山市でしか手に入らない貴重なワインは、おみやげに喜ばれそうですね。