あの文豪も愛した味を訪ねて。小説を彩るグルメ店4選その0

あの文豪も愛した味を訪ねて。小説を彩るグルメ店4選

2017-03-06
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小説に出てくる料理って、なぜかとても美味しそうですよね。それが実際にあるとなったら、行ってみたくなるのがファン心です。登場人物と同じものを味わって、物語に参加している気持ちになれるようなお店巡りをしませんか?

「本所両国」に登場する「船橋屋」

「本所両国」に登場する「船橋屋」

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東京・亀戸天神のすぐ側に本店がある「船橋屋」は江戸時代から続く老舗です。こちらの名物はくず餅で、梅や藤見物に亀戸天神に訪れる参拝客に、黒蜜きな粉をかけた小麦でんぷんの餅を出したのがはじまりとされています。明治初頭に出たかわら版「大江戸風流くらべ」において、江戸甘いもの屋番付に「亀戸くず餅・船橋屋」が横綱としてランクイン。名声は不動のものになりました。

芥川龍之介や永井荷風など文化人も足を運んでいたそう。芥川龍之介の小説「本所両国」の中で、友達のOくんと船橋屋のくず餅を食べる場面が描かれています。

丹精こめて作られたくず餅の素朴な味わいを楽しみたいですね。

◆船橋屋 亀戸天神前本店
住所:東京都江東区亀戸3-2-14
電話:03-3681-2784

船橋屋

「人間失格」に登場する「神谷バー」

「人間失格」に登場する「神谷バー」

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浅草の老舗バー「神谷バー」は、日本で初めてのバーとして明治13年に創業して以来、多くの文人たちに愛されてきました。

太宰治も実際に「神谷バー」によく通っていて、電気のような色をしたブランデーベースのお酒の「電気ブラン」を気に入っていました。太宰治の代表作のひとつ「人間失格」にも登場しています。主人公・葉蔵の悪友である堀木が「酔いの早く発するのは、電気ブランの右に出るものはない」と話すシーンが。

浅草の観光スポットにもなっていて、ノスタルジックな広告も魅力的です。太宰治の安らぎの場となっていたこちらのバーで特別なひと時を過ごしてみませんか。

◆神谷バー
住所:台東区浅草1丁目1番1号
電話番号:03-3841-5400
営業時間:11:30~22:00
定休日:火曜日

神谷バー

「我が輩は猫である」に登場する「羽二重団子 本店」

「我が輩は猫である」に登場する「羽二重団子 本店」

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夏目漱石「吾輩は猫である」に登場するお店。猫の主人が主人の元書生である多々良に安くて美味しいお団子屋がある、と誘う場面があります。「芋坂の団子」として愛されるこの店の団子は、漱石以外に正岡子規や泉 鏡花、田山花袋など多くの文豪に愛され、それぞれの著書で登場します。「羽二重団子」という名称は、光沢と粘りがある団子を、柔らかく光沢のある織物の羽二重になぞらえて付けたそう。

大きな窓から緑豊かな中庭を眺めつつお団子をほおばれば、たくさんの文豪たちに愛された所以がわかりそうですね。

◆羽二重団子 本店
住所:東京都荒川区東日暮里5-54-3
電話番号: 03-3891-2924
営業時間: 9:00〜17:00
定休日:年中無休

「氷点」に登場する「珈琲亭ちろる」

「氷点」に登場する「珈琲亭ちろる」

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最後は近代作家から。
「珈琲亭ちろる」は、北海道の旭川で最も古い喫茶店といわれており、長い間人々に愛されてきました。北海道を代表する作家、三浦綾子さんの小説「氷点」でも登場します。「氷点」では、主人公である陽子の母、夏枝と眼科医の村井が対話する場所がここなんです。大きな一軒家で、レンガの壁やソファなど、昭和レトロな雰囲気が魅力的です。自家焙煎のこだわりのコーヒーと、サンドイッチやトーストなどの昔ながらの喫茶店メニューが味わえます。

落ち着いた店内でこだわりのコーヒーを飲みながら、氷点の静謐な世界に浸ってみては。

◆珈琲亭ちろる
住所:北海道旭川市3条通8丁目左7
電話番号:0166-26-7788
営業時間:8:30~18:00
定休日:日曜日

珈琲亭ちろる

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