シェアリングエコノミーで地方の観光が面白くなる?その0

シェアリングエコノミーで地方の観光が面白くなる?

2017-02-01
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ライドシェアの「Uber」や民泊の「Airbnb」で知られるシェアリングエコノミー。都市部では日常をサポートするツールとしておなじみになりつつありますが、そのシェアエコが、地方の観光事業の活性化に一役買うそう。行き詰まった感のある地方創生を推進する、民間による“地方創生第2ステージ”とはどんなものでしょうか。

国主導の地方創生に一石を投じる

2014年、ローカル・アベノミクスとして始まった地方創生政策の下で、全国各地で観光事業や食産業を中心とした地方活性化の流れが生まれました。1000億円規模(平成28年度)の予算が組まれた地方創生推進交付金に対して、地方は知恵を絞ってさまざまなアイデア、取り組みを考えていますが、一部を除いて思うような成果が挙げられていません。

ICTインフラを整備して企業のサテライトオフィスを誘致した徳島県神山町、都市と農村の共生を目指したオガールプロジェクトで知られる岩手県紫波(しわ)町、島まるごとブランド化した島根県海士(あま)町の取り組みなどは、地方創生の成功例とされています。以前、内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官として地方創生を牽引していた小泉進次郎議員は、それらを“地方創生のフロントランナー”と称しています。

成果が挙がらない要因の一つに、地方の自治体、民間が何をどうすればいいかわかっていないことがあります。国は地方自治体のアイデア創出のために、2015年4月、ビッグデータである地域経済分析システム「リーサス(RESAS)」を開放したものの、そこにあるデータを有効に使えているかどうかは定かではありません。使ってみればわかるのですが、勝手がわからないと意味不明な数字の羅列でしかないのです。

そのため、リーサスの使い方を指南するセミナーを開催すべく、国から担当者が全国を行脚しています。まさに宝の持ち腐れです。やはり、地方の自治体だけで考えるのには無理があります。そんななか、行き詰まった地方活性化に一石を投じる取り組みが発表されました。

シェアリングエコノミーを活用した民間による地方創生第2ステージ

2016年11月、総合人材サービスのパソナとシェアリングエコノミー協会が「地方創生実現に向けた包括的連携協定」を締結。パソナの担当者によると、シェアリングエコノミーで地方に眠る遊休資産(空間、乗り物、モノ、人のスキル等)を生かした観光産業の振興を図り、地域課題を解決しながら、新たな雇用と経済効果を創出、町を活性化させる取り組みを行うという。
シェアリングエコノミーで地方の観光が面白くなる?その3
↑シェアリングエコノミー協会代表理事・上田祐司氏(左)、パソナ代表取締役社長COO・佐藤司氏(中)、同協会代表理事・重松大輔氏(右) 写真/株式会社パソナ

昨今はインバウンドの増加によって外国人が地方を訪れるケースが増えていて、日本人が見逃している観光資材があるらしい。例えば、“八百屋の店番”。逆に賃金をもらいたいくらいだが、外国人観光客にしたら、野菜が並ぶ店先で、訪れる客を応対するのが楽しいようです。また、うなぎ屋の開店前の時間を利用した、“かば焼き体験”も好評だったそう。

地元の人たちは埋もれた観光資材にまったく気づいていませんが、パソナと協会は、それぞれの得意分野を持ちより、地方の遊休資産を観光商材にするノウハウを発信、提供していくという。成果がイマイチわからない政府主導の地方創生に対し、今回の民間の企業・団体の提携によって行われる地方創生は、どんな可能性を秘めているのでしょうか。詳しくは「政経電論」の記事を参照してみては。

「政経電論」の記事はこちら

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