国民的人気女優、広瀬すずさんが主演を務め、2019年9月末に最終回を迎えたNHK連続テレビ小説「なつぞら」。その舞台となった北海道・十勝エリアには、ドラマの世界観を体感できるスポットがあちこちに点在します。十勝の自然を満喫しながらロケセットを巡る旅。来春は「なつぞら」気分に浸る旅をしてみませんか?
Text:小林優子
十勝エリアの3つのまちで撮影ロケセットを公開
NHK連続テレビ小説100作目と節目作となった「なつぞら」。そのロケ地となったのが、北海道・十勝エリアです。「なつぞら」の撮影は、2018年の夏、そして2019年の冬と夏の3度にわたり、十勝管内の7つのまち(帯広市・新得町・陸別町・清水町・士幌町・池田町・中札内村)で行われました。なんと、そのドラマで実際に使用されたロケセットが、帯広市と新得町、陸別町の3つのまちで公開されているのです。※帯広市と新得町のロケセットは現在冬季閉鎖中。
なかでも見逃せないのが、帯広市にある山田天陽に関する2つのロケセットです。回遊式ガーデン「真鍋庭園」に移設され(撮影現場は庭園内にはありません)、無料公開されています。※現在、冬季閉鎖中。
そのひとつが、主人公のなつに絵心を芽生えさせた山田天陽のアトリエです。「天陽の馬小屋~アトリエ~」は文字通り、元は馬小屋だったため、馬の絵がたくさん飾られています。天陽という人物のモチーフとされている画家・神田日勝氏が描いた絶筆のレプリカも鑑賞でき、撮影で使われた絵も随時公開されるので注目です。
もうひとつが「天陽の家」。ドラマの中で変遷する昭和20年代と30年代とでは、天陽の家は違った造りをしていました。今回の展示は、30年代バージョンの家になります。
新得町では、しばた牧場の入口看板やサイロの中心にある木橋、なつが悩んだときに座る丸太イスや周囲の木柵などを見ることができます。牧草地やオダッシュ山が広がる風景を眺めれば、「なつぞら」の世界観が蘇るはず。※現在、冬季閉鎖中。来春は4月下旬頃から公開予定。
柴田家のサイロは、陸別町の道の駅「オーロラタウン93りくべつ」で公開されているのでぜひ、立ち寄ってみてください。
「なつぞら」が体感できる、おすすめドライブコースはコレ!
ロケセットの公開場所や町の風景を中心に、「なつぞら」の世界観を感じるスポットを巡るモデルコースを一部ご紹介します。おすすめしたいのは、とかち帯広空港からとかち物産センター[JR帯広駅エスタ東館2階]までを車で巡る、距離にして約130㎞、所要時間の目安6時間40分の周遊コースです。行程順にスポットだけをご紹介していきます。
①清水円山展望台/清水町円山育成牧場
…まずは十勝ならではの大自然を感じて。展望台からは日高山脈、十勝平野を一望できます。
②十勝千年の森
…広大な敷地に5つのテーマガーデンがあり、ドラマに登場するような美しい小川も。
③オダッシュ山風景・しばた牧場への道ロケセット
…しばた牧場の入口看板・橋・木柵のロケセットを公開中。
④神田日勝記念美術館
…山田天陽の人物像のモデルとされる画家・神田日勝氏の作品を展示。
⑤鹿追町民ホール
…なつが演劇部の仲間と演じた、鹿追町に伝わる「白蛇姫伝説」の白蛇を見られます。
⑥とかち物産センター[JR帯広駅エスタ東館2階]
…『連続テレビ小説「なつぞら」展』を2020年9月まで開催。なつぞら関連グッズも!
車での移動時間の合計は約2時間40分。北海道らしい自然や牧歌的な風景を見渡しながらドライブをエンジョイ!
まだある! 十勝エリアの「なつぞら」ゆかりのスポット
ほかにも、「なつぞら」を感じながら十勝エリアを堪能できるスポットがたくさんあります。ドラマのテーマ“開拓”について学べる「帯広百年記念館」。それから、十勝を代表するお菓子メーカー「柳月」の工場「柳月スイートピア・ガーデン」。ショップでは「なつぞら」をイメージしたお菓子が購入でき、見学コースや喫茶コーナーも併設されています。一方、池田町のシンボルで十勝ワインを楽しめる観光施設「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(通称・ワイン城)」では、期間限定で「なつぞら」ラベルのワインなど、コラボ商品もたくさん販売されました。