東京・上野公園内の東京国立博物館では、9月20日と21日に、移動映画館「キノ・イグルー」と共催で「博物館で野外シネマ」が開催されます。今年の上映作品は2016年のアニメ映画『この世界の片隅に』。『夕凪の街 桜の国』で知られる、こうの史代氏による原作漫画を、片渕須直監督が映画化してロングランヒットとなった作品です。
2014年より始まった「博物館で野外シネマ」
「博物館で野外シネマ」は、東京国立博物館にまだ行ったことがない人や、なかなか行く機会がない人に親しみを持ってもらおうと、2014年から始まったイベント。
映画を観ながら、博物館の雰囲気を体感できると人気です。2018年には9月21日、22日の開催日のうち、21日は雨天中止となってしまいましたが、22日には約5,100人もの来場がありました。
これまでの上映作品は、細田守監督のアニメ映画『サマーウォーズ』や『時をかける少女』、杉井ギサブロー監督の『銀河鉄道の夜』、新海誠監督の『秒速5センチメートル』など、若者に人気の映画を取り上げています。
座席やもちろん、芝生でもゆったりと鑑賞できる
「博物館で野外シネマ」では、博物館の本館前にスクリーンが設置され、そこに映画が投影されます。座席は1,000席程度あるほか、芝生などにレジャーシートを敷いて鑑賞することもできるので、自分の好きな場所でゆったりと映画を鑑賞できます。
また、会場内にはキッチンカーやクラフトビールの屋台など、バラエティ豊かなフードとドリンクが揃うので、ぜひ、お腹を満たしながら映画を楽しみましょう。野外シネマなので上映は暗くなってからですが、当日、国立博物館は22時まで夜間開館が実施されます。
映画を鑑賞した後は、いつもは入れない夜の博物館を体験するのもおすすめです。
こうの史代氏原作のアニメ映画『この世界の片隅に』
今年の上映作品は、異例のロングランヒットとなったアニメ映画『この世界の片隅に』。
突然の縁談話に従って、広島県の呉へ嫁いだ主人公の女性「すず」と、遊郭で出会った「リン」、水兵となった小学校の同級生の「水原哲」、そして夫の「周作」。すずさんの家族や、周囲の人々との日々が描かれるなか、物語は長崎に原爆が落とされた昭和20年の夏へと進みます。
こうの史代氏による原作漫画の人気や、女優・のんさんの声優ぶりも話題になった作品は、涼しい秋の夜風に吹かれながら鑑賞するのにぴったりです。
1872年創立、歴史ある「東京国立博物館」
「博物館で野外シネマ」の舞台である「東京国立博物館」は、日本で最も歴史のある博物館。
11万9,000件以上の文化財を収蔵し、中国や朝鮮半島、西アジア、エジプトまでの地域のコレクションも見られる、日本の美術史を語るうえで重要な博物館となっています。
上映当日には、東洋館で「博物館でアジアの旅 ラブラブアジア」と題した、愛をテーマにした展示も。古今東西の人々の“愛のかたち”を探りに、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
◆博物館で野外シネマ
上映作品:『この世界の片隅に』 (2016年 監督:片渕須直、原作:こうの史代)
会場:東京国立博物館(上野公園) 本館前
電話番号:03-5777-8600
日程:9月20日(金)、21日(土)
時間:19:00~(上映時間:は130分程度)
料金:無料(ただし当日の入館料が必要)
参加方法:事前の申込は不要。当日会場にお集まりください。
共催:キノ・イグルー