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マナーのプロに聞く。ワンランク上の旅行を楽しむために実践すべきマナーとは
マナーのプロに聞く。ワンランク上の旅行を楽しむために実践すべきマナーとは
旅行に出るといろんな出会いがあるもの。訪れた場所の景色、雰囲気、その土地ならではの料理、そして人々。マナーとは「思いやりの心を形にして届けること」。ほんの少しのマナーを実践することで、すれ違うだけの出会いにささやかな心の交流が生まれ、旅に喜びや彩りを与えてくれるもの。そんな旅行先でのマナーについて、マナーのプロに聞きました。
マナーのプロ・高瀬晴子さん
今回、旅行先でのマナーを教えてくれる高瀬晴子さんは、“お客様の喜びを喜びとする”プロ意識の高いおもてなしとチームホスピタリティの育成に尽力しているマナーのプロ。日本航空国際線CAとして12年間乗務した後、独立。そのマナー力を生かして、フォルクスワーゲン グループ ジャパン、外資系ホテルなどの企業研修の実績も多数。また、FIFAワールドカップJAPAN/KOREA、APEC新潟、FINA競泳ワールドカップ、G7新潟などの国際イベントでは、現在も指名で業務依頼が続いているなど、接遇の評価が抜群に高い、まさしくマナーのスペシャリストです。
――それでは早速、聞いてみたいと思います!旅先でのマナーを教えてください。
まず旅先で出会う人に目が合ったら、にっこり微笑むことが大切です。
私は企業研修やセミナーで接遇マナーをお伝えする以外に、国際イベントで海外VIPのアテンドのご依頼も頂き、海外の要人と間近で接する機会があります。彼らは超多忙なスケジュールでも、日本での滞在を楽しまれる旅の達人でもあることに、いつも感動しています。
彼らに共通していることは、私の様なアテンドスタッフに対してだけでなく、ホテルでもレストランでも、ささやかな人との触れ合いの際に、いつも“笑顔で目を見て”応対していることです。私たち日本人は、知らない人に笑顔で接することに気後れしてしまいがち。旅先では、ホテルのスタッフ、タクシーのドライバー、レストランやショップのスタッフ、ほかの旅行客など、様々な人と出会います。
そんな出会いの際に“目が合ったら、にっこりと微笑む”ことを実践しましょう。笑顔を発信すると笑顔が返ってきます。それだけでも、心が豊かになっていくのを感じられます。
――ほかにも実践するべきマナーはありますか?
スモールトークを心がけてみてください。例えば、旅先の出会いで「どちらからいらっしゃったのですか?」などと、会話が始まることもありますよね。スモールトークとは、そんなまだよくお互いを知らない際に、程良い距離感でさり気ない交流を楽しむ、ささやかな会話のことです。
「今日はよく晴れて気持ち良いですね」「綺麗な海ですね」「月が綺麗ですね」など、まずは天気や景色の話題から始めるといいでしょう。こうしたスモールトークは、お互いに心地良ければ発展して「どこからいらしたのですか?」「お仕事でいらしたのですか?」と、もう少し触れ合いを楽しむ会話になっていくこともあります。
“Small talk is not small.”と言われ、ささやかな会話から、人は心が和んだりうれしくなったりするものです。その際大切なのは、自分にとっても相手にとっても、心地良い距離感を保ちながら会話を楽しむこと。すれ違うだけで終わりがちな旅先での出会いも、スモールトークを楽しめれば、旅のうれしい思い出になります。
――それでは、別れ際に行うと良いマナーはありますか?
お別れの際には、感謝の気持ちを笑顔と言葉で伝えてください。相手がサービス業のスタッフだとしたら、お客様にありがとうと言われることは、とてもうれしいプレゼント。地元の人であれば、訪れた人が喜んでくれることは誇らしいこと。それは相手が旅行者でも同じです。別れ際にまずは自分から感謝の気持ちを伝えてください。
そんな風に“一期一会に感謝”をしていると、素敵な出会いや触れ合いが増えていきます。笑顔には笑顔が、感謝には感謝が返ってくることを実感できるはず。お互いにうれしい時間を共有できたらそれはとても豊かなことですよね。
――ホテルや旅館など、宿泊先でのマナーはありますか?
私はホテルなど、宿泊施設でも研修を実施しているのですが、ホテルスタッフの方々は「お客様に滞在を楽しんでほしい。旅を楽しんで、また訪れたいと思ってほしい」と願っています。
今の時代は、旅先でもスマートフォンさえあれば、美味しいお店、お勧めの観光スポットなど、どんな情報でも自分で調べることができますが、ぜひホテルのコンシェルジェや旅館のスタッフの方々に話しかけて、旅を楽しむためのおすすめ情報を聞いてください。地元の人に人気のお店や、ガイドブックにはない綺麗な景色など、貴重な情報を教えてもらえるはずです。
そして、何より、そんな風にアプローチするだけでも、地元の人と触れ合うことを楽しめます。その際には、旅先で出会った人へのマナーでお伝えした“笑顔で目を見て”話しかけること、そして“笑顔と言葉で感謝の気持ちを伝えること”も忘れないでくださいね。
――食事に関するマナーで気をつけるべき点は?
レストランスタッフに、料理の感想を伝え、食材について聞いてみてください。食べ終わったお皿を下げるタイミングなどに「ご馳走様でした。美味しかったです」「このお魚、初めていただききました。美味しいですね」など、笑顔で感想を伝えるといいでしょう。
そこからスモールトークが始まることもあります。私自身、仕事柄旅の多い日々を送っていますが、レストランのスタッフに、美味しい料理への感謝を伝える様にしています。すると、地元で美味しいと評判の食味やお酒について教えてもらえたり、他にも会話が弾んだりすることも多々あります。地元の人とささやかな会話を楽しめると、お腹だけでなく心も満たされ、より充実した気持ちになります。
――その際も笑顔で感謝を伝えることが重要なのですね。
そうです。本日お話させていただいたすべてのマナーは、“出会いをうれしいと思う心”を相手に伝えるものです。このマナーによって、旅行先で愛されて、いつもより旅行が楽しめるようになるはずです。ぜひ、実践してみてくださいね。
今回マナーについて教えてくれた高瀬晴子さんは、個人でも参加できるセミナーを不定期で開催しています。興味のある方は下記URLから詳細をどうぞ。
高瀬晴子さんのマナー指導についてはこちら
電子雑誌「SUPER CEO」に高瀬さんのマナーに対する熱い思いが掲載されています。こちらもぜひ読んでみてくださいね。
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