【台湾情報】製パンの世界杯でW優勝したシェフが創立。手土産文化を伝える中華スイーツその0

【台湾情報】製パンの世界杯でW優勝したシェフが創立。手土産文化を伝える中華スイーツ

2022-10-12
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2021年にオープンするやいなや大きな話題となった中華菓子店「犇喜堂」。創立者の陳永信シェフは、フランスで開催されている製パンコンクール『モンディアル・デュ・パン』で2015年にダブル受賞を果たしたチャンピオン。華人の文化である手土産品のブランドを立ち上げたいとの思いから「犇喜堂」をスタートさせました。機械科の高専出身でありながら、22歳でベーカリー業界に進むことを決意。家族の反対を発奮材料とし、粘り強さと活力で困難に挑む“台湾牛の精神“でパン作りに邁進し、世界を驚かせるパンを誕生させた…というシェフのキャリアもまた味わい深いブランドです。

台湾人の精神をパンで表現、ベーカリーの世界大会でダブル優勝。

台湾人の精神をパンで表現、ベーカリーの世界大会でダブル優勝。
「小さい頃からパンは好きでしたが、パン職人になろうとは思っていませんでした」と「犇喜堂」の創立者の陳永信シェフは雄弁に語り始めます。「機械専科に在学中、台中のパン屋でアルバイトをしていたのですが、ある時、マスターがパン作りのプロセスを見せてくれたんです。材料はとてもシンプルなのに、こんなに美味しい食べ物ができるのかと感動しましたね」。卒業後は兵役につくことになりましたが、退役の前日、パン職人になる決意。22歳からの修行は遅すぎると笑った人も多かったといいます。実際、何度も壁にぶつかり、7軒もの店を渡り歩くことになりました。

「最初は意欲満々で臨んだのですが、2週間は毎日掃除の担当。進路決定が衝動的すぎたかも…と考えてしまいました」。しかし彼は簡単に諦めたりせず、店側もまた彼が気まぐれで志願しているとは考えていませんでした。そして台北での見習いを経て、三番手、二番手とポジションを上げていき、縁あってコンテストに出場する機会を得ます。それが労働局主催の『全國職場達人盃技能競賽』で、2013年のパン製作部門で準優勝を獲得。2014年には、ベーカリーの世界大会『クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー』の台湾代表選抜大会で見事優勝し、2015年に開催地のフランスに出陣します。

「あのコンテストは生涯忘れられないでしょう。事前に準備していた“牛魔王”のアートパンをうっかり壊してしまい、会場でもう一度作らなければならなくなったんです。8時間の制限時間内で多くの項目を完成させることは、本当にチャレンジングなことでした」。審査員から、なぜ“牛魔王”をテーマに選んだのかと問われたときには「牛の姿は、一歩一歩勤勉に進む台湾人の精神を象徴しています。“牛魔王”と“火焰山”は、歴史小説の登場人物ですが、毎日朝早く出勤して夜遅く帰宅するパン職人に似ていると思うのです。作業場はとても暑いけれど、そこにいることが幸せなのです」と回答。審査員たちは大きく頷きました。そして “牛魔王”は芸術的作品部門の優勝作となったのです。

サンドイッチ部門では、自国色を出すべくクコ、ナツメ、人参などの漢方食材で煮た烏骨鶏の肉を使った作品が評価されました。こうして総合成績で最高点を獲得し、芸術的作品部門とダブル優勝を成し遂げたのです。陳シェフは「部外者の前で心情を露わにすることはあまりないのですが…」と恥ずかしそうに言葉を繋げます。「翌日、スイスで朝4時に1人でジョギングをしていたとき、感情が溢れ出して涙が止まらなくなったんです。これまでのあらゆる苦労が報われた、ついにやり遂げたのだ!と自分を誇りに思うことができたのです」。

人々に喜びを届けるべく、特別感あるギフトブランドを創立。

人々に喜びを届けるべく、特別感あるギフトブランドを創立。
台湾に戻ってからの陳永信シェフは、積極的に教える側に立ち、後輩たちに自信を与えるべく、自身の経験を伝えてきました。また、国際交流のために海外に出向くことの多い彼は、礼儀として手土産を持参するのが常で、こうした華人の文化である手土産のブランドを作りたいと考えるようになり、昨年「犇喜堂」を創業。ブランド名は、コンクールの優勝作である“牛魔王”からイメージを発展させ、“台湾牛の精神は喜びの心を運ぶ”という意味を込めてつけられました。伝統的な焼き菓子に新たな解釈を加え、細部に気を配り、皆に美味しい記憶を届けたい。そんな思いで始められました。

中華の伝統菓子に新たな解釈を加えた自信作。食べやすいサイズ感も魅力。

中華の伝統菓子に新たな解釈を加えた自信作。食べやすいサイズ感も魅力。
コロンと丸いフォルムの「金沙蛋黃酥」は、厳選されたダックの卵黄で作った特製あんを低糖ながら濃厚で繊細なあずきバターあんでくるみ、パイ皮で包んでじっくり焼き上げた中華菓子。2層のあんとサクサクの食感が自慢です。

「旺來鳳梨酥」は、台湾2號土鳳梨と17號金鳳梨という2種類のパイナップルで作ったあんを、あっさりしたミルク風味のフランス風のクッキー皮で包んで焼いたパイナップルケーキ。脂っぽくなく、ほどよい甘酸っぱさが美味しい一品です。

揚げまんじゅう「黑金肉鬆餅」は、厳選した台湾豚で作った肉でんぶを黄金ゴマをたっぷりまぶした皮で包み、昔ながらの手法でひとつひとつ手で揚げたもの。一口食べるごとに肉でんぶの歯応えと香ばしいゴマの香りを感じられます。

「四喜Q心餅」は、あずき、お餅、塩漬け卵黄、肉でんぶを重ね、多層的な味のハーモニーが楽しめるまんじゅう。その甘じょっぱい味わいは病みつきになること請け合いです。

華人の心と文化を伝える、おしゃれなパッケージも好評。

華人の心と文化を伝える、おしゃれなパッケージも好評。
クラシカルなエッグロールシリーズは、焼き加減を厳密に調整し、独自のサクサク感を実現。皮とあんの比率も絶妙で、台湾産のふっくらしたピーナツと上質の黒胡麻、2種類のあんの香りが口いっぱいに広がります。また、ナツメ、ゴマとクルミのヌガーシリーズも大人気。いずれもスタイリッシュなギフトボックスと相まって、受け取った人の心に届き、美しい贈り物となることでしょう。陳シェフは、華人文化の手土産の代表として「犇喜堂」が贈られること、贈り物を通して人々が真の友情を結んだり、感謝や祝福の気持ちを伝えていけることを願っています。次の台湾訪問時のお土産にぜひ。

◆犇喜堂
電話: +886-970-551-576

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