埼玉県の名産品として全国に知られる草加せんべい。その品質の高さゆえに贈答品としても喜ばれ、お取り寄せの品としても人気の米菓です。草加せんべいの本場で古くから営む「株式会社いけだ屋」は、品質と素材にこだわり、伝統の味を守る老舗。堅焼きの醤油せんべいやアレンジ商品のほか、東京にある領国国技館や上野動物園で長年愛されるみやげものを、昭和の時代から作り続けています。「いけだ屋」の商品は、埼玉県草加市の店頭ではもちろん、オンラインショップでも購入できるので、ぜひチェックしてみてください。
TEXT:小林優子
”草加せんべいらしさ”を追求した伝統の味
創業は江戸末期。埼玉県草加市に本店を構える「株式会社いけだ屋」は、品質と素材にとことんこだわり、生地作りから焼き上げまでの製造を一貫して行う草加せんべいの老舗です。歯ごたえが際立つ硬い生地から醤油の香ばしい風味が漂う、丸い形のクラッシックな草加せんべい。そんな米と醤油だけで作るごまかしのきかない伝統の味わいを大切に”草加せんべいらしさ”を極め続けています。
こうしたこだわりからいけだ屋では、ベーシックな醤油せんべいだけでも、生地や焼き加減を変えた6種類ものバリエーションを用意。なかでも一番人気は、秘伝の醤油ダレを使った「あきたこまち」です。一方、江戸時代から伝わる製法を用いた「炭火手焼 匠」は、セイロで蒸したうるち米を天日で干し、コテを使って一枚ずつ丁寧に手焼きした、米の風味が引き立つ逸品。
ほかにもアレンジ商品など豊富なラインアップが揃ういけだ屋のせんべいは、草加の実店舗ではもちろん、オンラインショップでも購入できます。ぜひ、食べ比べをして多彩な味わいを楽しんでください。
”草加一、硬い”といわれる「献上煎餅」
かつて草加せんべいを大正天皇に献上したことから、その名がつけられた「献上煎餅」。いけだ屋が”草加一、硬い”とうたう醤油せんべいです。
この堅焼きを極めたせんべいが誕生したのは、地方の催事で、「草加せんべいは硬いイメージだったけれど、思ったよりも歯ごたえがないですね」と、お客様からのひと言がきっかけでした。そこで「目いっぱい硬くておいしいせんべいを作ろう」と一念発起! うるち米で作る生地の硬さをとことん追求し、パリッとした確かな歯ごたえが感じられる「献上煎餅」の完成に至ったのです。
「親しい人と『硬い、硬い』と語らいながら食べれば、堅い絆が生まれるのではないか」、そんな想いも込められているのだとか。甘口の醤油の風味が後を引く「献上煎餅」は、お茶菓子にもぴったりです。
両国国技館のロングセラーみやげ「相撲せんべい」
いけだ屋ではオリジナルの草加せんべいだけでなく、昭和の終わり頃から両国国技館の売店や併設の相撲博物館で販売されている「相撲せんべい」の製造も手掛けています。30~40年来、変わらないパッケージデザインで、相撲みやげの定番となっているロングセラー商品です。力士の顔の形をした醤油せんべいと、土俵の形をしたゴマ風味の醤油せんべいの2種類があり、それぞれ6枚ずつ、全12枚が1袋に入っています。
「相撲せんべい」は、両国国技館で相撲の取り組みが行われていないときでも、館内の売店や相撲博物館で購入できるので、墨田区を訪れた際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。ただし、「いけだ屋」の店頭では扱っていないので注意が必要。時期によっては、通販サイト「相撲銘品館」でも購入できる可能性があるので、チェックをしてみてください。
上野動物園の人気みやげ「どうぶつせんべい」
ほかにも「いけだ屋」では、パンダブームが盛り上がり始めた昭和の時代から、上野動物園や多摩動物公園のみやげもの売り場に並ぶ「どうぶつせんべい」を作り続けています。一枚ずつ形が異なり、パンダ、ゾウ、コアラなど5種類の動物をかたどった見た目もかわいらしい醤油せんべいです。1箱でえび味とのり味の2種類を楽しむことができ、食べやすい個包装なのもおみやげとして嬉しいポイント。
長い年月の中でパッケージデザインはマイナーチェンジを行いましたが、子どもだけでなく、大人にも好評の動物園みやげとして愛され続けています。動物園を訪れたら、ぜひみやげもの売り場で手に取ってみてください。
素材や品質にこだわり、伝統の味わいを守る「株式会社いけだ屋」の草加せんべいは、自分へのご褒美や大切な方への贈り物に最適な逸品です。
◆株式会社いけだ屋(カブシキガイシャイケダヤ)
住所:埼玉県草加市吉町4丁目1-40
電話番号:048-922-2061
営業時間:9:00~19:00
定休日:元日
株式会社いけだ屋