離島への旅では、その土地の食文化に触れるのも楽しみのひとつですよね。長崎県の最西端の海に大小150以上の島々が浮かぶ五島列島。特産品である五島うどんは、先祖代々、地元の家庭で親しまれてきました。なかでも「中本製麺」の五島うどんは、島伝統の味わいを基に、素材・製法にこだわって作られる逸品。実店舗では郷土料理を楽しみ、島の魅力が伝わるお土産を購入することもできます。五島列島を訪れたら「中本製麺」の五島うどんを味わい、地元ならではの食文化を堪能してみてはいかがでしょうか。
TEXT:小林優子
五島うどんの実店舗限定パッケージ
「中本製麺」が販売する五島うどんの中でも旅土産として人気なのが「ばらめん」(うどん200g・スープ付き、2人前)。これは、五島列島を舞台にしたフジテレビのTVドラマ「ばらかもん」でも話題を集めた五島の民芸品、ばらもん凪をモチーフにしたパッケージデザインの商品です。
ばらもん凧とは、鬼に背を向けずに立ち向かう武者を表した凧のこと。「この武者のように元気に逞しく育ってもらいたい」と願いを込めて、五島では古くから男の子の初節句にはばらもん凧を空に揚げる風習があります。
五島列島の魅力が詰め込まれた限定パッケージの「ばらめん」は、長崎県五島市吉久木町にある直営店「五島手延うどん おっどん亭」で、ランチついでに店頭で購入できるレア商品。五島列島の旅土産におすすめです。
コシの強さと滑らかな喉越しが特徴
「美味しく安心して食べられる」ことをモットーに、五島の麺匠により伝統製法で作られる五島うどんは、麺の細さに負けないコシの強さで食べ応えも抜群。プルンとした滑らかな喉越しと、麺自体がもつ素朴で豊かな風味により、多くのファンを魅了してきました。
「中本製麺」が作る五島うどんのこだわりは、シコシコした独特の食感と強いコシを出すために強力粉の中でも特に引きの強い小麦粉を厳選している点です。さらに手延べ製法の工程では、椿の自生地として知られる島産の良質な椿油を打ち粉代わりに使い、塩も海水からの天然塩を投入。五島の自然が育んだ最高の天然素材が使用されています。その上、時間をかけて製麺・乾燥させることで、最高の味わいが生まれるのです。
工場隣接の直営店「五島手延うどん おっどん亭」
「中本製麺」の福江工場に隣接した直営の飲食店「おっどん亭」では、五島うどんの代名詞でもある「地獄炊きうどん」や、甘辛く煮込んだ牛肉と玉ねぎが相性抜群の「肉うどん」を味わえます。さっぱりといただけるワカメや梅しそが練り込まれた「三色うどん」も人気です。
つゆに使うのは、長崎県新上五島の海で獲れた新鮮なアゴから取る上品なダシ。五島うどんのダシには、アゴと呼ばれるトビウオを炭火で焼いてから干した焼アゴを使うのが特徴です。五島列島の旅では、讃岐うどん、稲庭うどんと並び、「日本三大うどん」のひとつとも称される五島うどんをぜひ堪能したいですね。
隣にある物販コーナーには、「中本製麺」のうどんやアゴダシのほか、名産品が並び、お土産も購入できるので、ぜひ立ち寄ってください。
五島の郷土料理「地獄炊きうどん」
五島の代表的な郷土料理のひとつ「地獄炊きうどん」は、グツグツと煮立つ鍋から直接うどんをすくって食べる料理で、煮えたぎる鍋が地獄の釜のような様相であることから“地獄炊き”と呼ばれるようになったと言われています。ゆで上げた熱々のうどんは、アゴダシのタレやダシ醤油を少し加えた溶き卵に付けて味わうのが定番スタイル。「おっどん亭」でもおすすめのメニューです。
地元の家庭では、昔から家族のために心を込めて作られてきた五島うどん。「中本製麺」が素材・製法ともにこだわり抜いて製造・販売する五島うどんは、そんな素朴なふるさとの味わいに触れられる逸品です。この冬は長崎県の海に浮かぶ五島列島を訪れ、「中本製麺」の五島うどんを「おっどん亭」で味わい、地元の魅力を存分に堪能してみてはいかがでしょうか。
実店舗限定のお土産もお忘れなく!
◆中本製麺(ナカモトセイメン)
住所:長崎県南松浦郡新上五島町曽根郷1202-1
電話:0959-55-2409
◆中本製麺(ナカモトセイメン)