まるでお城のように豪華絢爛なホテルとして知られているホテル川久。その館内に、オーナー秘蔵の美術コレクションを展示した美術館がオープンしています。有名どころから貴重なものまであらゆる作品が並べられ、ウットリしてしまいますよ。
贅の限りを尽くした造りのホテルにオープンする美術館
人気リゾートの南紀白浜に佇むホテル川久。まるで中世ヨーロッパのお城のような、ひときわ異彩を放つ外観が特徴です。このホテルが建てられた当時の日本はバブルの絶頂期。このホテルを建設するにあたって、世界中の一流職人にオーナー自らが直接依頼をしていたそう。
完成に2年を要したこの建物は、中国・ヨーロッパ・イスラム・日本などさまざまな国の様式が取り入れられた唯一無二の存在。あの時代だったからこそ建てることのできたこの建物は、その贅沢な造りが評価され、1993年に優れた建築作品と設計者に贈られる村野藤吾賞を受賞しています。
今回この豪華なホテルの一部が、施設美術館「川久ミュージアム」としてオープン。オーナー秘蔵のコレクションを思う存分堪能できますよ。
名作・希少品が一堂に集まったコレクションの数々
美術館に収蔵されているのは数百点に及ぶオーナーの所蔵品。コレクションの中には、ダリやシャガールといった有名画家の作品や中国清代前期の七宝焼きなど貴重なものも。世界中の美術館に収蔵されていてもおかしくない美術品の数々を、国内で一堂に鑑賞できるのはまたとありません。
ホテル川久のシンボルとして入口付近の屋根に取り付けられているウサギのブロンズ像は、イギリスの環境彫刻家バリー・フラナガンの作品。このウサギには、お腹が空いて倒れている僧侶のために自ら火の中に飛び込んでその身を捧げたという逸話があり、屋根飾としては世界最大級の大きさのもの。館内に入る前から見どころがいっぱいです。
ヘンリームーアの「母と子」は常設展示
常設展示されている「母と子」は、イギリスの芸術家ヘンリームーアの作品。アフリカンアートとキリスト教が持つイメージを融合させて独自に昇華した彼の一大テーマを、絵画の形で表現しています。鑑賞できるのは全部で26作品。訪れればいつでも鑑賞できるのは嬉しいですね。
建物自体も貴重なコレクションの一つ
所蔵されている美術品はもちろんですが、贅の限りを尽くした建物自体も美術品といっては過言ではありません。広々としたエントランスホールは、思わずため息が漏れそうなほどゴージャス。ウィーンのオペラハウスと同じ技法で作られたドーム天井はフランスの人間国宝によって金箔が張られ、天井を支える26本の疑似大理石は、なんと1本1憶円というから驚きです!
鹿と豹をモチーフにしたビザンチンモザイク画の壁など、見どころがあり過ぎて退屈することはありません。ぜひ訪れてみてください。
◆川久ミュージアム
住所:和歌山県西牟婁郡白浜町3745
営業時間:10:30~18:00(最終入館17:30)
定休日:年中無休