大名庭園をはじめ、数多くの庭園を有する東京。今回は、国から「名勝」の指定を受けている東京のスポットをご紹介!芸術性が高く、観賞する価値の高い庭園などが指定を受ける「名勝」には、女子がうっとりするような絶景が待っているかも!?
文/Five Star Corporation
和漢情緒感じる江戸の大名庭園
江戸の二大庭園のひとつである「小石川後楽園」は、江戸時代初期に徳川頼房の中屋敷として造られた大名庭園。当時、藩主を務めていたのは水戸黄門でお馴染みの徳川光圀で、中国・明の儒学者・朱舜水の意見を庭の設計に採用。そのため、随所に中国の名所の名前が付いた景観スポットを有しています。日本最小の竹・オカメザサに覆われた築山「小廬山」もそのひとつ。中国の景勝地「廬山」に似ていることから名付けられたそうで、庭を見渡せる山頂からの景色はまさに絶景! また、園内にある「円月橋」は朱舜水自らが設計した石橋で、橋のアーチが水面に映るとまるで満月のように見えるためその名が付いたそう。中国の要素が盛り込まれた趣ある庭園美を、ぜひ楽しんでください。
◆小石川後楽園(こいしかわこうらくえん)
住所:東京都文京区後楽1丁目
電話番号:03-3811-3015
開園時間:9:00~17:00(最終入園16:30)
休園日:年末年始
入園料:一般300円
見惚れるほど美しいバラ×洋館の景色
武蔵野台地の高低差を活かし、大正初期に造られた「旧古河庭園」。丘の上で存在感を放つ英国風の洋館と春バラが咲き誇る(5~6月)洋風庭園がマッチした景観は、まるで絵画のよう。どちらも明治時代に活躍した建築家ジョサイア・コンドルの設計で、洋風庭園では植え込みを美しく刈り込んだフランス整形式花壇と、3段テラスのイタリア露檀式庭園の技法を組み合わせています。一方、低地にあるのは近代日本庭園の先駆者とされる庭師・小川治兵衛による日本庭園。高さ10m以上の大滝や大きな雪見灯籠によって、洋風庭園とは一変した情緒溢れる景観が広がりますよ。これほど和洋が調和した庭園美が楽しめるのは、現存する近代庭園の中でも極めて貴重なんだとか。
◆旧古河庭園(きゅうふるかわていえん)
住所:東京都北区西ヶ原一丁目
電話番号:03-3910-0394
開園時間:9:00~17:00(最終入園は30分前)
休園日:年末年始
入園料:一般150円
和歌山の景勝を表現した、江戸の二大庭園のひとつ
小石川後楽園と並び、江戸の二大庭園のひとつに数えられている「六義園」。かつては江戸時代の5代将軍・徳川綱吉に仕えていた柳澤吉保の下屋敷として造られた大名庭園で、平坦な武蔵野の土地に柳澤吉保が自ら池や山を施し、「回遊式築山泉水庭園」を完成させたといいます。「六義園」は、万葉集や古今和歌集などに多く読まれた紀州(現在の和歌山県)・和歌の浦などの風景を映し出しています。。その中でもとりわけ数多く表現されているのが、和歌山県の景勝地です。大泉水に接する「吹上浜」をはじめ、「片男波」と呼ばれる砂州、築山にある「藤代峠」などは全て和歌山県に実在する景勝地の名前なんだそう。「六義園」での回遊を通して、和歌山の情景に心を馳せるのもいいですね。
◆六義園(りくぎえん)
住所:東京都文京区本駒込6丁目
電話番号:03-3941-2222
開園時間:9:00~17:00(最終入園は30分前)
休園日:年末年始
入園料:一般300円
夏の花が可憐に咲き誇る、江戸っ子の花園
歴史ある大名庭園は池や築山などを取り入れた趣ある雰囲気ですが、一味違った趣向の庭を楽しめるのが「向島百花園」なんです。町人文化が花開いた江戸時代、骨董商を営んでいた佐原鞠塢や江戸の文人墨客によって造られたこちらには、春や秋の七草や詩歌に登場する草本などが植えられ、庶民的かつ文人趣味溢れる花園として親しまれてきたそう。現在の「向島百花園」では、梅雨になるとアジサイ、七夕の時季には池の周りにハンゲショウが可憐な花を咲かせ、盛夏が訪れればつる棚にヒョウタンやヘビウリなどの実が見られますよ。ほかにもオレンジ色が鮮やかなオニユリ、淡いピンク色のオイランソウなど色鮮やかな花々がたくさん! 甘い香りに包まれて、散策してみてはどうですか?
◆向島百花園(むこうじまひゃっかえん)
住所:東京都墨田区東向島3丁目
電話番号:03-3611-8705
開園時間:9:00~17:00(最終入園は30分前)
休園日:年末年始
入園料:一般150円