【台湾情報】香港から敏腕シェフを招聘。広東料理の名店が供する新メニューに熱視線！

香格里拉台北遠東國際大飯店（シャングリ ラ ファーイースタンプラザホテル台北）の６階にある「香宮」は、中国の吉祥モチーフである雲と牡丹の花をあしらうなど、クラシカルなチャイナテイスト溢れる豪奢な空間です。こちらで味わえるのは、豪華な広東料理や点心。古典から新しい解釈を加えたメニューまで……いずれも国内外のリピーターから愛され続けています。

さらなる高みを目指し、星の獲得を狙う「香宮」では、このほど、エグゼクティブ・シェフとして、何競業氏を香港から招聘。その経歴は華やかで、香港のフォーシーズンズ、香港ジョッキー・クラブ、香港ディズニーランドの「晶荷軒」、そして中華で初めてのミシュラン三ツ星を獲得した「龍景軒」と、名店ぞろい。30年超の豊富な経験を持ち、広東料理を極めた人物として知られる彼のキャリアは「香宮」に吹き込む新風となり、ここ台湾に、より魅力的な美食体験を提供しています。

「私は食材の特性に対峙しながら、新鮮な食材を厳選し、ひとつひとつの料理に心を尽くしています。現代の西洋的な広東料理を知り尽くしたうえで、さらに新しいアイデア、創造性、彩りなどを加味する。この土地の旬の食材を使いこなすことも重要な課題です。古くからの顧客にも、初めてのお客様にも、また食べたいと思っていただける料理を提供すべく、あらゆる手を尽くしていきたい」と、着任の意気込みを語る何競業氏。

彼は来台後、多種多様な台湾の良質な食材に触れ、その興味深い味わいにイマジネーションをかきたてられたそう。そして2020年の春、周囲の期待に応えるべく、メニューを一新。星を狙う看板メニューは、鮮やかな彩りが目を引く仕上がりで、広東料理らしさも十分。西洋と中華料理のメソッドを知り尽くしたシェフの技が光ります。

前菜として用意されているのは、赤身と脂身のバランスが絶妙なチャーシュー、後味爽やかなキュウリとクラゲのサラダ、柚子風味を効かせた揚げエビ団子のプレート（写真上）。メインへと続く期待感を高める前菜です。

キヌガサタケとロブスターのとろみスープにフランスから輸入した珍味のアミガサタケを加えた〈摩利菌竹笙龍蝦羹〉は、特別感ある一品。キノコから出る繊細な滋味が特徴で、一口食べるだけで“しみる”味わいが好評。

香港政府観光局が主催する美食コンテストにおいて、牛肉部門で金賞を獲得した経歴を持つ何シェフ。ここで供される〈香辣蘆筍糖腰果牛柳粒〉は、その入賞作のひとつ。中華料理で牛肉を扱う際は、超高温で調理する火加減が味の決め手。外側はカリッと香ばしく、内側は柔らかく仕上げた牛肉に、アスパラ、特製の黒胡椒キャラメルカシューナッツを合わせ、食感の違いが楽しめる一皿に。

古典的広東料理〈黑蒜大千蝦球〉は、黒ニンニクの香りを効かせたエビの油炒め。黒ニンニク本来のほのかな甘みと、エビのぷりっぷりの食感がポイント。

〈泰國蝦頭油蟹肉炒飯〉は、タイ料理のトムヤムクンなどに使われるシュリンプペーストで味付けした広東風チャーハン。強火で鍋を振り、エビの香りをお米の一粒一粒にいきわたらせることで、濃厚な磯の香りが口いっぱいに広がる仕上がりに。付け合わせのアラスカ蟹の身との相性も抜群です。

シェフの肝いりデザート〈甜品三重奏〉は、目にも美しい三品が並びます。柑橘とツバメの巣のミルクプリン、クルミの焼き菓子、抹茶ココナッツケーキは、いずれも繊細な味わいと口当たりが特徴。食事のフィナーレを飾るに相応しいデザートです。