【観光列車の旅 第4回】近鉄の豪華観光特急しまかぜ乗車体験記その0

【観光列車の旅 第4回】近鉄の豪華観光特急しまかぜ乗車体験記

2018-04-27
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近畿日本鉄道の「しまかぜ」は、大阪・京都・名古屋方面からの伊勢志摩観光におすすめしたい豪華観光列車です。2018年3月21日に運行5周年という節目の年を迎えましたが、今も人気は衰えません。

本連載第4回は、京都駅から終着:賢島駅までの車窓と賢島周辺の風景を中心に、しまかぜの乗車体験をお届けします。爽やかな伊勢志摩への旅をさらに盛りあげてくれる鉄道旅はいかがでしょうか。

text&photo:猫珠深鈴

「しまかぜ」で行く伊勢志摩への旅

「しまかぜ」で行く伊勢志摩への旅
近鉄の誇るプレミアムな観光列車「しまかぜ」。その魅力は、上質な時間を過ごせるゆとりの座席と本格的なカフェ車両、そして風光明媚な伊勢志摩へ直通で行ける便利さです。全席指定で1・2・5・6号車は2×1列でゆったりとしたプレミアムシート、3号車が2階建てのカフェ車両で、4号車がサロン席・個室専用車両となっています。
出発地は、大阪・京都・名古屋の3ヶ所から。伊勢神宮の下宮に近い伊勢市駅・内宮の最寄駅である宇治山田駅など、有名な観光名所のある駅にいくつか停車した後、終着駅の賢島駅(かしこじま)駅に到着します。

サロン席や個室はグループ旅行に最適ですが、席数が少なく人気があります。そのため、販売開始する乗車1ヶ月前のタイミングですぐ席の予約をしたほうがいいでしょう。その際は近鉄のインターネット予約サービスを使うと便利。インターネット予約の場合、予約の変更は3回まで無料です。

プレミアムシートなら1号車・6号車の展望車両がおすすめ

プレミアムシートなら1号車・6号車の展望車両がおすすめ
しまかぜの1号車と6号車は展望車両となっていて、前が全面ガラス張りになっています。
【観光列車の旅 第4回】近鉄の豪華観光特急しまかぜ乗車体験記その3
左右の窓ガラスも大きく、天気の良い日は太陽光で室内は明るく爽やかな雰囲気に。座席を確保するときは、眺めの良い1号車または6号車がおすすめです。
【観光列車の旅 第4回】近鉄の豪華観光特急しまかぜ乗車体験記その4
プレミアムシートは、ヘッドレスト・フットレスト付きで、手元にあるボタンでリクライニングが可能。「リズム」ボタンを押せば軽くマッサージもできるという高機能さで、座り続けていても疲れにくい構造になっています。

また、電源コンセントの差し込み口がアームレストにひとつついていて、無料Wi-Fiは車両ごとに用意されているなど至れり尽くせり。近くに座っていた乗客が「飛行機もこれぐらいゆとりがあったらええのに」と言っていたのも本当に納得の乗り心地を堪能しました。

賢島駅周辺では英虞湾の眺めを楽しもう

街中を抜けていくと田園風景が広がり、木津川など大きな河川をいくつか超えていく部分がビューポイント。
アテンダントさんに聞いたところ、海の眺めは鳥羽駅周辺と賢島駅のすぐ手前ということで、カメラをスタンバイ。「一瞬ですよ」との言葉通りでしたが、美しい車窓の眺めを楽しめました。
こちらは鳥羽駅前後に見えた風景です。
賢島駅では、京都・大阪からやってきたしまかぜがそろい踏み。なかなか壮観な眺めです。
賢島駅の2階は2016年に行われた伊勢志摩サミットの記念館になっていて、見学は無料です。実際にG7の首脳たちが座っていた円卓が展示されていて、日本の椅子だけは座れるというサービスも。

隣にはカフェが設置されていて、洋食やスイーツが楽しめます。駅を出たところでは、ちょうどチューリップが色とりどりの花を咲かせていました。
駅を出てまっすぐ歩くとすぐに見えてくる遊覧船乗り場。美しい英虞湾を約50分で一巡できます。
遊覧船は数種類あり、コースも少しずつ違います。リアス式海岸の英虞湾は、複雑で入りくんだ場所があり、絶景だといわれているスポットです。
賢島駅と港の中間地点には細い坂道と「円山公園」があり、公園自体は広々としていてお弁当でも広げられそうな雰囲気です。

日帰りで、帰りもしまかぜに乗る場合は運行区間によって違いはありますが、だいたい2時間から3時間ぐらい時間に余裕があります。遊覧船に乗っても良いですし、のんびり駅周辺を散策して、賢島駅2階のカフェでのんびりくつろぐのもおすすめです。

スタイリッシュなカフェ車両で伊勢志摩名物を味わおう

しまかぜの3号車は2階建てのカフェ車両。2階席は美しい車窓を真正面に眺めながら軽食などが楽しめます。1階席は眺めの良さを重視した席ではなく、ゆったりとくつろげるソファ席仕様となっています。

しまかぜのように食堂専門の車両がある観光列車は珍しいので、ぜひとも経験しておきたいものですが、各地から宇治山田駅までの間は乗客も多く、カフェも混雑する傾向にあります。おすすめは鳥羽駅から賢島駅の間で、このタイミングでは比較的空いていることも多いですよ。
カフェでは、大阪難波発着便、京都発着便、近鉄名古屋発着便と、運行区間別に各沿線の名店のスイーツが提供されます。
カフェ席は京都発の場合、丹波橋駅出発時より営業開始、賢島発の場合は出発10分前から営業開始となっていました。カフェ席を早く確保したい人は、カフェ席カウンターのあたりで並んで待ちます。私も行き・帰り共に並んで待ち、2階席へ案内してもらいました。

京都発着のしまかぜは、京都ではおなじみの北山の「マールブランシュ」のケーキが楽しめます。
「海の幸ピラフ」はピリリとした辛味が食欲をそそり、「苺のショートケーキ」は定番ですが、マールブランシュらしいしっとりとしたジェノワーズ生地がおいしい一品。季節限定の「花束」は、オレンジのムースとマンゴーのジュレの組み合わせが爽やかです。

帰りは、しまかぜ5周年記念で限定10食のスイーツセット「伊勢志摩の宝箱」を注文。賢島発の各列車で10食のみなのですが、整理券をもらうために、しまかぜ乗車前から3号車前に並びました。行きのとき、アテンダントさんに聞いて、整理券をもらうと良いですよ、と教えてもらっていたのです。
こちらが「伊勢志摩の宝箱」の中身です。伊勢志摩名物「あおさ」を使ったミニキッシュやマカロン、あおさ入りのわらび餅などが彩りよく詰められていて、まさに「宝箱」。クリームブリュレがとてもなめらかで、いちごもみずみずしく、旅の最後を締めくくるのにはぴったりの上質なお菓子ばかりでした。
こちらは通常メニュー。「あおさとカキのにゅう麺」は、あおさの持つ磯の香りが堪能できる一品で、大阪着のしまかぜのケーキは「シェラトン都ホテル大阪」製。今回は「ムースシトロン」を注文しました。こちらはレモン型のマカロンがかわいく、酸味がちょうど良い塩梅で、さっぱりと食べられました。

伊勢志摩方面への観光をさらに楽しめる「しまかぜ」

伊勢志摩への旅をさらにグレードアップさせてくれる観光特急「しまかぜ」。お伊勢参りや志摩のリゾートホテル・アミューズメントパークなど、観光名所が集中している伊勢志摩は、しまかぜを降りてからも楽しい旅ができる場所です。賢島駅でもちょっとした散策や遊覧船観光が楽しめるので、往復しまかぜの日帰り旅行もおすすめ!

ぜひ、しまかぜで伊勢志摩方面へ旅してみてはいかがでしょうか。

◆観光特急しまかぜ
問い合わせ:050-3536-3957(近鉄電車テレフォンセンター)
 

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