<動画つき>一生に一度はこの赤を。夕焼けがやばすぎて地球じゃないみたい!【連載第43回】その0

<動画つき>一生に一度はこの赤を。夕焼けがやばすぎて地球じゃないみたい!【連載第43回】

2018-09-25
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空前絶後のすっごい夕焼けはオーストラリアで体験しました。わたしは国内外で主に夕日(と朝日)を狙って撮っています。素晴らしいシーンは山ほど、でも「劇的」という点では、ダーウィンの夕景がだんとつ!  もちろん空は毎日違うけど、染める要因には不動のものも。ぜひ、旅先での夕日チェックにトライしていただきたいです。

Text&Photo:とまこ

ざっとあげます、過去すごすぎた夕焼けの街

空の色や状態がすごい! 背景がかっこいい! その二つがそろったとき、これは一生ものの夕焼けだと認識します。もちろん、心情やタイミング、季節や一緒に見た人も大きなポイントになってきますが、今回は人それぞれ違う要素は置いておき、物理的な観点だけでお話しさせてください。

夕焼けが圧倒的すぎて、ずっと鮮やかに思い出すと確信しているシーンは、マレーシアのボルネオ島コタキナバル郊外のマングローブの川、ドイツのコブレンツのライン川とモーゼル川の合流ポイント、アルゼンチンのパタゴニアのマゼラン海峡、石垣島の名蔵湾……そのあたりがパッと浮かびます。全部すばらしい思い出だし、一生ものの財産です。

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どこに出かけても夕焼け鑑賞にはこだわりますが、ドイツの最も美しい街の一つとされているコ...



そんな中でも、色の変化が想像をはるかに超えて劇的すぎたのは、オーストラリアのダーウィンです。信じがたいほど圧倒的な状況に、「地球は美しい!」ではなく、「ここどこの星だっけ??」と放心状態になりました。それも滞在中ほぼ毎日。まずは中でも一番劇的だった日の動画をご覧ください。

どうして空が赤くなる? そもそも青いのはなんで?

どうして空が赤くなる? そもそも青いのはなんで?
空が赤く焼ける要因として「湿度」があります。湿度が高いと期待できますよ。前述の一生ものの夕焼け体験の地も、出揃ってみて納得するのは、全て海や川など水辺での出来事なんですよね。

そもそも空の色は、太陽の放つ光のうち、どの色の光が目に届くかで決まります。青系の光は他よりも早く大気中の微粒子にぶつかって散乱し一面に広がるので、空が青く見えるとか。ところが夕暮れ時、太陽が低い位置に移動して現在地との距離が長くなると、青い光ははるか遠くでほとんど散乱され尽くし、赤系の光がより多く目に届くそうです。

またそのとき、残った青い光も水蒸気やチリに邪魔をされて空気の層を通り抜けづらくなります(チリについては諸説あり)。対して赤い光は通り抜けやすいし、それらに適度に散乱されて広がります。それで、湿度が高いとより夕焼けに期待が持てるのですね。

東京の夏の夕空を思い浮かべてください。真っ赤に燃えてることが多いですよね。さすが湿気ムンムン、チリもいっぱい大都会。ただ、背景や非日常感の無さから、個人的夕景ランキングでは上位入賞はしていないのですが。

ダーウィンの空が派手に赤くなる要因

空が赤くなるメカニズムがわかると、ダーウィンで劇的な夕空が拝めるのにも納得していただけるかと思います。
ダーウィンの雨季(11-4月)の湿度はやばいです! 写真は対岸から見たダーウィン。湿気をたっぷり含んだ重い雲が雨を吐き出しています。海にぐるり囲まれているし、マングローブやジャングルも街に隣接してたくさんの生き物が息をしているしで、湿度の高さは一流なんです。
さらにはノーザンテリトリー準州の州都でもあるので、都会のチリもいっぱいですよ。赤くなる条件はばっちり。
もう一つの印象的な夕景になるポイント、かっこいい背景もそろっているから完璧です。入り組んだ地形、大きな街、堂々の自然と、変化に富んだ要素が詰まっているのです。たとえば、郊外のマングローブから、海と街灯を背景に夕焼けにそまった空を仰ぐ、なんて最高すぎます。

こんな日は、夕焼けに期待しています!

雲がたくさんある日は、夕方が楽しみでなりません。水蒸気がいっぱい大気中にある証なので、赤くなるのではないかとそわそわです。

実際、雲があると空にアクセントがついて絵としてかっこいいですね。夕日の赤が雲に反射したりしたら、もうたまりません。また、その時間は温度に変化があるときなので雲の形は変わりやすく、空の表情は豊かになる一方!

ちなみに、ダーウィン辺りでは、昼間から全然違う形の雲がいくつもの層になり重なっていることが多かったんです。例えば、もくもく丸みのある雲に、筋状の長ーーい雲が重なり、網みたいな雲がその上に広がっていたり。そんなときは、夕焼けどきの想像がさらにつかなくて、わくわくが倍増するんですよね。

実際こんな感じ

これらの土地と気候の条件をもって、ダーウィンで日々放心した夕景をご覧ください。
パレットの絵の具がまざりあったようなシーン……こんなことが起こるなんて思ってもみませんでした。
なんだか和風の世界観。染物にしてまといたいくらい。
いつスコールがきてもおかしくない、真っ黒な雲から降ってきたのは太陽でした。
「地球じゃないな」。そう確信しそうになる、圧倒的な赤の世界。動けなくなります。
太陽が沈んでも、余韻たっぷり。変化があるってなんて魅力的なんでしょうか。

おわりに

個人的には太陽を見送るたびに人生が豊かになる感覚を味わいます。なので気まぐれな空に振り回されハズレをひいても、まあ構いません。求めることに意味があるから。あなたもぜひ、夕日ハントをしてみてはいかがでしょうか?

◆とまこ
明治大学在学中からバックパッカーとしてデビューし、卒業後は秘境ツアーコンダクターに。現在は旅作家&おしゃれパッカーとして本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍中。著書に『離婚して、インド』(幻冬舎文庫)、『世界の国で美しくなる!』(幻冬舎)、『台湾で朝食を 日常よ、さようなら!』(メディアパル)など既刊12冊。2018年5月14日には奄美観光大使に就任。

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