日常的な飲酒の習慣が少ない台湾。近年はクラフトビール界が盛り上がりを見せ、おしゃれに飲める場所が増えてきたものの、ワイン好きの旅人が行き着く先はホテルのバーということも多いのでは。これから台北を訪れるワインラバーが覚えておくべきお店が「WINE-derful」。圧倒的な品揃えを誇る、台北最大のワインレストランです。
地下に広がる秘密めいたレストラン、その奥には特大ワインセラーが。
ビルの地下に広がる桃源郷。そんなイメージの「WINE-derful」は、ワイン通の間では知られた存在です。ここにあるのは、世界各国から集められた100種類以上のワイン、そして、それらを収蔵する約70㎡ものワインセラー。摂氏15℃、湿度75%に保たれたセラーは、半袖で入室すると体の芯まで冷えるような寒さ。床には砂利が敷き詰められていて、一日一回水をまくことで理想的な湿度をキープしています。このセラーを一般の愛好家にも開放していることから、ワイン好きの秘密基地のようになっているのが、ここ「WINE-derful」なのです。
ヨーロッパのワイナリーをイメージした店内は、およそ1000㎡と広大で、ビジネスユースから各種パーティなど、用途に合わせた座席レイアウトが可能です。個室は最大で100人が着席できる仕様。予算も含めて、ニーズに合わせてカスタマイズできるのも支持される理由のひとつです。
ワインの魅力を伝える、豪華なイベントを多数開催。
また、不定期にワインディナーの会を開いていて、テーマに応じて、海外から著名なシェフを招聘したり、ワイナリーのオーナー、ソムリエ、ワインビネガーマスターなどを迎え、ワインの個性に合わせた料理を楽しむという、贅沢な時間を提供しています。
今年の1月には、世界最大のワインオークション「アッカー・メラル・ワインズ」と初めてコラボレート。昨年だけで8億200米ドルもの売り上げを誇るオークション・メーカーの協力のもと、台湾のワイン収集家を招いて、小規模オークションを開催しました。まず、アッカー側がワインリストを作り、「WINE-derful」が、それに合わせた料理を考案。ほどなくアッカーがワインを台湾に送付。これは信頼の証だとCEOのヘンリー氏は語ります。ワインはいきもの。温度と湿度の管理が品質を左右するとあって、誰にでも託せるものではないからです。台湾の愛好家たちは、新入荷やイベントの好機を逃すまいと「WINE-derful」のサイトをこまめにチェックしたり、FBに登録したりして、情報収集に余念がないそう。
ワインがすすむ、ボリューミーな肉料理。
「WINE-derful」を訪れたなら、食事メニューは、牛肉ステーキをぜひ。シェフは次々と新しい調理法を考案し、独自色の高いソースと味わいを生み出しているのが自慢です。季節ごとにメニューの入れ替えがあり、現在は米国産の特選アンガス牛がいただけます。こらちは、スペインのバスクステーキの調理法を採用。まず肉と野菜を赤ワインに浸し、塩と黒胡椒で味を整えて15分以上おいた後、焼きに入ります。表面に焼き色がついたところで、ドライトマト、タマネギとピーマンなどを加えて仕上げ。素朴な味わいと食べ応えある食感が好評です。
健康的な環境で育ったハタは、素材本来の甘みが格別。
海鮮を好むなら、ハタの香味焼きがオススメ。仕入れているのは、屏東の外海で健康的に養殖した大振りのハタ。産地履歴つきの安心素材で、もちろん新鮮。皮と身の間にはコラーゲンがたっぷりで、小骨が少なく臭みもなし。いいことづくしの魚です。中火で皮目から焼いたあと、オーブンでロースト。過度な味付けは不要で、ライムをさっと絞るだけで十分。素材本来の繊細な甘みが引き立ちます。付け合わせの野菜も豊富で栄養バランスも言うことなしの一皿です。
シーフードを惜しみなく使ったリゾットは、絶妙な食感を楽しんで。
シーフードでは、エビとホタテのかぼちゃリゾットという選択も。新鮮なコウライエビ、大振りで弾力抜群のホタテが主役の一品で、海鮮類の旨味とカボチャの甘みを吸ったイタリア米は、アルデンテの食感と相まって、いくら食べても飽きない美味しさです。
料理を問わず、合せるワインに迷ったなら、ぜひともソムリエに相談を。オススメされたワインは、試飲してから決められるので、気軽に声をかけてみて。