“イケメンハンター”として街角で見かけたイケメンの写真を撮影しながら世界中を旅してきた私が、旅先で必ず訪れるのは、地元の人とのコミュニケーションが楽しめる市場。今回はそのなかでも一番のおすすめ、グアテマラにある、チチカステナンゴのマーケットをご紹介します。
Text&Photo:窪咲子
毎回数万人が訪れる華やかなマーケット
中南米に位置するグアテマラ。日本ではあまり馴染みがない国かもしれませんが、多くの遺跡が残り自然も豊かで、様々な民族が集まる、見どころ満載の国です。訪れた旅人からも好評で、みな口を揃えて「魅力あふれる国だ」と語ります。そんなグアテマラの生活を垣間見ることができるのは、チチカステナンゴという街で木曜日と日曜日だけ開催される巨大マーケット。マヤのキチェ族の文化が色濃く残る地として知られる人口1万人弱のチチカステナンゴに、毎回近隣の村から数万人も集まります。街の広範囲にわたってズラリと露店が立ち並ぶ様は、見ているだけで楽しい気持ちに。野菜や民族衣装、お土産にピッタリな雑貨などが売られています。なかでも先住民族文化が残るグアテマラの民芸品は、驚くほど色鮮やか。一度見たら忘れられないような派手な色遣いや刺繍がとってもかわいいんですよ。
かわいい雑貨なのに値下げが止まらない!お買い物天国
世界中を旅したなかでも特に物価が安いと感じたグアテマラですが、ここのマーケットでの値下げは驚異的。露店で商品を手に取り眺めていると、どこからともなく店主がやってきてどんどん値下げをしてくれるので、ついお財布の紐がゆるんでしまいます。1つ200円だったはずの複雑な模様で編まれたカラフルなポーチが2つで100円になったりするので、本当に利益があるのかとコチラが心配になってしまうほど。
お買いもの天国となるマーケットで注意しなくてはいけないのが、買うタイミング。欲しいものを見つけたときに“また後で来よう”と思っていると、とにかく規模が大きいマーケットなので、どこのお店だったか分からなくなってしまうことも。気に入ったものを見つけたら、その場で購入しておきましょう。
美しい民族衣装も見逃せない
露店でひしめく小道を歩いているだけでもワクワクしますが、お店の人が身に纏っている民族衣装も見逃せません。「ウイピル」と呼ばれる民族衣装は、村ごとに異なる柄や模様が代々受け継がれています。どこも美しい意匠の装飾が施されていますが、見る人が見れば、着ているウイピルの柄でどこの村から来たのか一目でわかるのだそう。近隣の村からたくさんの人が訪れているので、様々な模様のウイピルを見ることができます。
マーケットには民族衣装の古着を扱う店もあるので、丁寧な刺繍が入ったウイピルが数百円という驚きの価格で手に入ることも。お気に入りのウイピルを身に纏いグアテマラを旅すれば、シャイなグアテマラの人々も思わずにっこり微笑んでくれるはず。
おわりに
グアテマラへ行くには、乗り継ぎ便で19~26時間ほど。チチカステナンゴへはそこからさらに3時間ほど車で西へ向かうという、なかなか時間がかかる場所ですが、雑貨や民族衣装のかわいさから観光客に人気のスポットとなっています。みなさんも華やかさに魅了されるチチカステナンゴのマーケットにぜひ行ってみてください。
◆窪 咲子(くぼ さきこ)
1987年生まれ。23歳の時雑誌編集の仕事を中断し、世界一周の旅へ。旅先で出会ったイケメンを撮影し、「地球の歩き方」WEBサイトで「世界イケメンハンター」を連載。著書に『GIRL'S TRAVEL』(ダイヤモンド社)、『恋する世界一周』(イカロス出版)。講演、ラジオ・TV出演も多数。
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