接待上手だったことでも知られている織田信長がかつて客人に振る舞った料理を現代風に再現した「信長おもてなし御膳」が2017年4月より、岐阜市内のホテルと旅館4軒で通年で提供が始まっています。時代に思いを馳せて楽しんでみるのはいかがでしょう?
文/各務ゆか
岐阜入城・岐阜命名450年の「信長公450プロジェクト」開催中
JR岐阜駅を降りたところには、黄金の信長像があるほど、岐阜市では織田信長がシンボル的な存在として親しまれています。信長が岐阜を本拠地として町の名前を“岐阜”に改めてから今年で450年。それを記念して「信長公450プロジェクト」という取り組みを進めており、様々なイベント開催や関連商品の販売が行われています。その一つが、岐阜長良川温泉旅館協同組合加盟のホテルと旅館が出した「信長おもてなし御膳」です。ホテルパーク、鵜匠の家すぎ山、岐阜グランドホテル、十八楼の4館が、これまでは期間限定で出していたものを、通年で提供できるようにメニューにラインナップしました。
◆信長おもてなし御膳(岐阜長良川温泉旅館協同組合)
住所:岐阜市長良福光2610-4
電話:058-297-2122
「信長おもてなし御膳」が出来るまで
「信長おもてなし御膳」の開発が始まったのは、2011年から。一部の旅館では信長が武将や公家、商人たちに出した料理を調べて出していましたが、450年の節目に向け、各旅館やホテルが集まり本格的に再現料理の研修会が始まりました。堺の茶人として知られる津田宗及が記した茶会記などの文献を元に献立を考え、現代風にアレンジを加えていきました。2012年4月に初めて信長おもてなし御膳を再現した料理披露会が開かれ、その後、各旅館、ホテルがそれぞれ工夫を重ねた料理が次々に開発されました。
各旅館・ホテルが工夫を重ねた「おもてなし御膳」を提供
【岐阜グランドホテル】信長おもてなし御膳 一人7,452円
例えば、岐阜グランドホテルでは、古文書にしたためられた三つのお品書きを参考に、当時、将軍から天皇家への贈り物に使われたコイの洗いや、祝いの食べ物である鮑のふくら煎り、うなぎなどの料理が並びます。海の幸などの食材を揃えるのは戦国時代を考えると大変なことでしたが、食材を豊富に用いることが当時の信長の勢力を表しています。また、彼はおもてなしにもとても強いこだわりがあったことを伺い知ることができます。
◆岐阜グランドホテル
住所:岐阜県岐阜市長良648
電話番号:058-233-1111(代表)
岐阜の特産品も信長おもてなし御膳の中に
【ぎふ長良川温泉 ホテルパーク】 信長響応膳 5,940円~
ホテルパークでは、織田家の家紋である木瓜門入りの朱塗膳を使って料理が出されます。各旅館、ホテルの料理にも共通するのですが、御膳には、アユの塩焼きやなれずし、干柿など、岐阜の特産物を取り入れた料理も加えています。信長のおもてなしの心とともに、全国の方に地元の味を楽しんでもらいたいという思いが込められています。
岐阜は5月中旬~10月中旬まで長良川の鵜飼いの開催時期で、長良川温泉界隈は多くの人で賑わいます。今年から、鵜飼いだけでなく、岐阜市にゆかりのある信長のおもてなし料理を研究して作られたメニューを堪能するのも、来訪の楽しみにしたいですね。
◆ぎふ長良川温泉 ホテルパーク
住所:岐阜県岐阜市湊町397-2
電話番号:058-265-5211
◆岐阜長良川温泉旅館協同組合
住所:岐阜市長良福光2610-4
電話番号:058-297-2122