台湾で大活躍の日本人タレント・大谷主水(夢多)さんが語る旅の醍醐味【連載3回目】その0

台湾で大活躍の日本人タレント・大谷主水(夢多)さんが語る旅の醍醐味【連載3回目】

2019-02-27
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前回、日本酒の魅力や旅先でのお酒の楽しみ方を語ってくれた大谷さん。連載最終回の今回は、日本でおすすめの観光スポットや、海外をメインに活躍する大谷さんから見た日本の魅力、そしてご自身の旅のスタイルについて伺いました。

撮影/恩田拓治
取材・文/石上直美(verb)

連載第2回はこちら

観光地といえばやっぱり地元・九州がお気に入り

―――おすすめしたい観光地はどこですか?

北九州です。福岡が有名ですが、大阪や東京と変わらない都心ということもあって、旅したことがなかったんです。それが先日、福岡県・久留米市を訪れる機会があって、衝撃を受けました。田舎のよさを残したままの独自の文化が残っている久留米は、すごくおもしろい!例えば、久留米の人気店「大砲ラーメン」。九州人の僕でもクセを感じるほど濃厚な豚骨ラーメンが食べられるんですが、その味わいに懐かしさを感じたんです。台湾でいう、現代の食べやすい「臭豆腐(チョードーフ)」(※)じゃなくて、においが強烈な昔ながらの「臭豆腐」を懐かしむ感じと似ていますね。久留米には、人の心をくすぐるような、“変わらないものを作り続ける強さ”がある。以来、おすすめの観光地といえば久留米ですね!

※野菜などを発酵させてつくった液体に豆腐を漬け込んだ、台湾のローカル食材

―――第1回のインタビューで宮崎に興味を持った人も多いと思います。夢多さんの故郷・宮崎とセットで訪れるならどこがいいでしょう?

熊本かな。熊本の居酒屋は、どこに行っても“ばり美味しい!” 一度体験すると、他の土地の居酒屋に行けないというほど、満足度が高いと思います。あと、観光には全然関係ありませんが、イケメンと美人が多い! もし、僕が熊本で生まれ育っていたら……今ほどモテなかったかもしれません(笑)
台湾で大活躍の日本人タレント・大谷主水(夢多)さんが語る旅の醍醐味【連載3回目】その2

地方ならではの変わらない日本も楽しんでほしい

―――さすが九州に詳しいですね。では今後行ってみたい場所は?

小学生のとき訪れて以来、未開拓のままの四国です。毎年台湾最大の旅行展示会「台北国際トラベルフェア」(台北国際旅展、ITF)の「JAPANKURU」ブースのMCをさせてもらっているので、日本全国さまざまな情報に触れるんですが、四国の特色がまだあまりつかめていないんです。ぜひ実際に旅をして、いいところを発掘したいですね。四国を人に例えると「あまり話したことはないけれど、なぜか気になるミステリアスな女の子」っていう印象です。クラスに一人は、そういう子がいませんか(笑)? 四国には僕たちが知らない“日本”がある気がして、断然行ってみたい場所ですね。

―――台湾生活が長い大谷さんから見て改めて“日本のよさ”を挙げるとしたらなんでしょう?

宿泊施設の清潔さやホスピタリティのよさは、もちろん素晴らしいと思います。ただ、ホテルに泊まるのもいいですが、地方に行く時はぜひ、民宿や旅館に泊まるのがおすすめ。僕も2017年に長野県の白馬村へスノーボードを滑りに行ったとき、民宿に泊まりました。民宿ならではの手作りの朝ご飯はとても美味しくて、畳の上で寝る心地よさを改めて感じました。日本を旅した台湾の友人たちからも、畳は好評なんです。そう考えると、日本旅行の醍醐味はどんどん地方にシフトしているのかなと感じます。いい意味で変わらない日本の風景を大切にしていきたいですね。
台湾で大活躍の日本人タレント・大谷主水(夢多)さんが語る旅の醍醐味【連載3回目】その4

自然体の旅は自分の存在を再確認する時間

―――旅先での過ごし方で大切にしていることはありますか?

「考えるな、感じろ」です。よくも悪くも、人の意見を鵜呑みにはしません。情報をあまり入れず、地元の人と構えずに、自然体で接するようにしています。旅先でふらっと入った居酒屋では、店のおやじさんやその場のお客さんと仲よくなったり。自分が楽しむより、相手を楽しませたいんです。だから芸能人だと自己申告しても、信じてもらえないのかも(笑)。周りが喜んでくれるのがいちばん嬉しいんです。最近は、日本のテレビ番組にも出させてもらっているので、お店を再訪したときに「あのときは信じてなくてごめんね」なんて言われます。

―――スターなのに、気さくすぎる! そんな自然体の旅スタイルが魅力的ですが、夢多さんが旅を続ける理由はなんでしょう?

昔から旅は好きですが、最近は目的が変わってきたように思います。若い時は各地の美味しいものが食べたいとか、自分の見たことのない景色を見たいとか、そういう気持ちが強かった。でも今は、自分自身を振り返るためかな。台湾から日本に向かう飛行機の中で「自分は台湾の社会に貢献できているだろうか」といつも考えるんです。台湾でさらに頑張るために、自分の存在を再確認するために、旅を続けている気がしますね。

おわりに

台湾のエンタメ界で力強く爪痕を残し続ける大谷さん。そのエネルギーの源は、日本各地へ足を運び、人と出会い、自分を振り返る時間をつくることのようです。海外をメインに活躍するからこそ感じる地方での発見や、気さくな旅のスタイルは、私たちに改めて日本の魅力を教えてくれました。みなさんもぜひ参考にしてみてください。
◆大谷主水(夢多・mondo)
宮崎県宮崎市出身。元テコンドー日本代表。2006年に引退後、台湾で芸能界デビュー。現在まで、映画、ドラマ、バラエティ番組、CMに多数出演している。2017年には、台湾の超人気長寿番組「食尚玩家」のメインMCに外国人では初めて抜擢。台湾のみならず、アジア各国でその活躍が注目されている。

公式Facebook

 

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