インパクト抜群で美味しい、安すぎ!“料理冒険家”とまこおすすめのハッピーしかない石垣B級グルメ6選【連載9回目 前編】その0

インパクト抜群で美味しい、安すぎ!“料理冒険家”とまこおすすめのハッピーしかない石垣B級グルメ6選【連載9回目 前編】

2017-07-27
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石垣のB級グルメはレベルが違いますよ! “料理冒険家”である私から見ても、すっごい見た目による出会った時のインパクト、とびっきりの美味しさから口に頬張った時の幸せ感、「ちょっと待ってよ」級な安さによる、支払う時のお得感、三拍子揃っているんです。青い海も緑溢れるジャングルもいい、でも、街に潜んでいるB級グルメも、石垣島の絶大なる魅力! さぁ〜、南の島に飛んでった気分でお読み下さいませ。

Text&Photo:とまこ

絶品B級グルメ①:圧倒的なB級感! なんでも乗せる衝撃おむすび「オニササ」と、その仲間たち

絶品B級グルメ①:圧倒的なB級感! なんでも乗せる衝撃おむすび「オニササ」と、その仲間たち
ドーン! 巨大な揚げ物の上におにぎりが鎮座?! どういうこと?
はい、この意味のわからない写真は、ひとつの食事の完成形です。その名も「オニトン(多分)」! 「鬼と豚」のようですが、「おにぎり+トンカツ」という具合です。これは本来、おにぎりの上にトンカツが乗っているのが正解なのですが、トンカツの圧倒的なサイズにより、トンカツの上におにぎりが乗ることでしかバランスを保つことができないのですね。

この力技がひとつのメニューと認識され、愛されているのは、石垣B級グルメの代表格「オニササ」の派生系だからです。
では、そのオニササとはどんなものか。これです!
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おにぎりの上にササミフライ。ビニール袋に入ってるのがいいところ。
なんでこんな、適当感満載のビジュアルになるかといえば、「オニササ」は石垣市民に古くから愛されているなんでも屋さん「知念商会」の看板商品で、その買い方からこうなります。
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お店に入るとすぐ目に入るのが、揚げ物陳列ケース。お昼時なら、作りたてが山盛り30種類弱(70円〜)は並んでいます。



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その一番端におにぎりがあるので、まずはビニール袋に手を突っこみ、その手でグワシッと掴み入れるのです。おにぎりは数種ありますが、全て具材は入っていません。白飯に卵やシソのふりかけがかかっているか、“ジューシー”という沖縄独特の豚出汁で炊いたご飯でできているか。

その上に、自分の好みの具材を乗せます。
代表的な具材として愛されているのがササミフライで、その「おにぎり+ササミフライ」の組み合わせが、いつの間にか“オニササ”と呼ばれるようになったとか。
ササミフライ以外にも、美味しそうなものがいっぱい!

いやそれ、おにぎりの具材としてどうなのよ、大きすぎだから! というものも多数。明らかに、小さく切って、お皿に盛り付けるサイズです(笑)。 このサイズで、だいたいどれでも100円台。

ポークとは、スパムのこと。沖縄ではそう呼びます。衣をつけて揚げたもの、素揚げしたものと二種類あって、沖縄の人とポークとの近しい距離感が伺えますね。

さて、乗せるものを選んだら、トングでビニール袋に入れます。ひとつのおにぎりに対して、二つ三つ、具材を乗せるのもありだそうですよ。好きにやってよナンクルナイサ〜。
ポークの素揚げと、メンチをのせました。具材の相性? そんなもん、食べてみないとわかりません。そもそも、揚げ物ケースの中は肉肉しいものばかりなので、キャベツとコロッケ、のようなわかりやすい組み合わせは存在しないのです。
具材をのせたら、ケースの隣の調味料棚へ。マヨネーズやソース、ケチャップなどがあるので、好きに味付けしてください。つまようじがあるのは、組み合わせた具材を一つにまとめる用でしょうね。

素揚げポークとメンチには、マヨネーズとソースをかけてみました。これには正式名称がありませんので、「オニメンポーク」とでも言っておきましょう。
ちなみに、コロッケを乗せた「オニコロ」という呼び方は学生さん発で、市民権を獲得しかけているようですよ。
美味しそう! と思ったものをなんでも乗せていいシステムなので、こんなことも起こります。カニカマ揚げ&肉団子揚げ乗せ。「オニカニ団子」?

それにしても、どんどんお客がやってきます。この時は3時過ぎという微妙な時間ではありましたが、現地のお客が耐えません。理由は一度食べればよーくわかる、ひとつひとつのお惣菜が、とっても美味しくて、しかも安い! さらにこのバリエーションの豊富さならば、飽き知らず。愛され続けるわけですね。
イートインスペースはありませんが、お店の前にこんなレトロで可愛い椅子が並んでいます。そこで石垣の風に吹かれつつ、パクつくのも乙な案。

買ったものを早速ベンチに並べると、右の写真のようになりました。ビニールにビチャッ。果てしないB級感(笑)。なんでだか、またここにきて並べたいと思う不思議なマジックです。
「オニメンポーク」も「オニカニ団子」もビニール袋の中でマヨネーズやらソースやらがぐちゃっと自然に混ざり合い、食べごろに(笑)。

具材がいい具合に飛び出したこちらのおにぎり、「バラして食べればいいじゃん」と言いたくなるでしょうが、ぐっとこらえてくださいよ。無理してでも大口開けて、バクッといくのがいいじゃないの〜。ナンクルナイサ!


◆知念商会
住所:沖縄県石垣市登野城1249-18
営業時間:7:00~21:00

絶品B級グルメ②:絶対手が止まらなくなる、サックサクでふわっふわの沖縄流「天ぷら」は必食!

これ、チキンナゲットのようで違います。具材は白身魚です。

ということは、フリッター? いえいえ、これこそが沖縄の「天ぷら」。ちなみに、ゴーヤやイカなど、他の具材をこうして揚げても沖縄では「天ぷら」と呼びます。
石垣の天ぷらの名店を地元の人に聞くと、「よしみ鮮魚店」を教えてくれました。

来てみると、本気で魚屋さんだから面白い。獲れたての新鮮な魚を、すぐに店内でさばいて売っています。

「いらっしゃ〜い!」
中から元気で陽気なお姉さんが、作業を中断して店先に出てきてくれました。

「天ぷら? ちょうど作ったところよ」
天ぷらは、16時くらいになると、作り始めるそう。同時に、地元のお客がどんどんやって来て、夕飯のおかずにと、大量に買っていくんですって。このお店での具材は、一点決め打ち、白身魚だけ。魚の種類はその日によって変わるそうですが、選ぶ余地はありません。なのにみんな、ごっそり買うってどういうこと? 興味をひかれますね。
ちなみに値段はなんと100g100円。一人のちょい食べだと、そのくらいで十分と言われました。安い〜。

揚げたてのアツアツを受け取ると、い〜い香り。宿に帰ってビールと一緒につまもうと買ったけど、たまらずガブッ!
美味しい! 衣はカリッとしつつもふっくらモチモチ、具材の魚はふわっふわ。食感最高! しょっぱめの衣と、淡白な魚のハーモニーもバッチリすぎます。
悶え喜ぶ客を見て、「そこで食べてけば〜」とお店のお姉さんがベンチを指してくれるのです。

こうなると、もう止まりません。あっという間に完食でした(笑)。
味の方向性は、だいたいわかると思います。白身のフリッターみたいなものですから。だからと言って、パスしたら大損ですよ! これほど想像以上の喜びを提供してくれる100円は他にないでしょう! 衣のサクフワ感と、いい塩梅の濃い口感ったら。ぜひとも立ち寄って、石垣市民のソウルフードの真髄を知っていただきたいです。


◆よしみ鮮魚店
住所:沖縄県石垣市登野城895
営業時間:14:00~21:00(売切次第終了)日曜定休

おわりに

どうです、石垣のB級グルメは。美味しくって、ネタになって、しかも安いでしょう。つまりは、ハッピーばっかりなのですよ。ぜひとも、旅のサブテーマに、いやメインテーマに掲げて、巡ってみてくださいな。おすすめです。

◆とまこ
明治大学在学中にバックパッカーとしてデビューし、卒業後は秘境ツアーコンダクターに。現在は旅作家&おしゃれパッカーとして本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍中。著書に「離婚して、インド」(幻冬舎文庫)、「世界の国で美しくなる!」(幻冬舎)など多数。

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