「美食の国」と呼ばれるハンガリーで国宝に認定されている「マンガリッツァ豚」、実は世界で唯一“食べることのできる国宝”というとっても希少な豚なのです。それをアジアで初めて生体輸入し、北海道・十勝の地で繁殖、飼育に成功して生まれたのが「十勝ロイヤルマンガリッツァ豚」です。まだまだ知らない方も多い幻の豚の気になる味や食べられる場所について紹介していきます。
Text/小林智明
時間をかけて成長する、くるくる巻き毛の豚
ハンガリーと緯度の近い十勝で、伝統的な飼育方法である「自然放牧」で飼育する、十勝ロイヤルマンガリッツァ豚は、見た目も個性的。全身がカールした長い毛で覆われ、別名「ウーリーピッグ(羊毛の豚)」とも呼ばれています。
十勝産の大豆や小麦といった特別な飼料で育つ豚は、原種に限りなく近く、一般的な三元豚に比べて成長速度がゆっくり。出荷可能な大きさになるまでに要する飼育期間は、三元豚の6か月程度に対し、1年以上です。これは、成長過程の中で肉が熟成されることを意味します。それだけ時間と労力がかかる分、赤身は濃厚な味わい。霜降り率が高いのも特徴です。
雄大な十勝の自然が飼育環境にぴったり!
十勝の自然は豚を飼育するうえで、最高の環境です。その名も「十勝ロイヤルマンガリッツァファーム」には、春と秋に心地よい風が吹き、飼育するのに非常に適した気候と言えます。冬には-20℃にもなりますが、羊のような毛で覆われているため、過ごすことができるのです。飲み水に十勝の自然がもたらす良質な地下水を使用するのも、肉質の決め手の一つでしょう。
ファームの放牧地には、勾配がある広大な敷地を利用。豚たちはそこを自由に歩き回り、ガッシリとした丈夫な身体に。日陰となる樹木や、体に付いた虫などを落とすために泥浴びをする「ぬた場」も設けるなど、より自然に近い飼育環境を整えています。
赤身の濃厚さと溶けるように消える脂に感嘆
マンガリッツァ豚の塊肉は、牛肉のような濃い色をしています。なかでも肩ロースは、赤身肉の発色がきれいで、脂身の白さが際立ちます。見た目にも美しく、本場ハンガリーでは一番高価な部位として取り引きされているとか。
そして濃厚な赤身、霜降りでジューシーな肉質は、他の豚とは一線を画します。イベリコ豚や神戸牛にも似た甘美な味わいに、きっと驚くはずですよ。また、脂肪の融点が一般的な豚肉に比べて10℃も低いため、口の中でサラッと溶けるような至福の食感も楽しめます。さらにおいしいだけでなく、普通の豚肉よりも消化が良く、不飽和脂肪酸(コレステロールが溜まりにくい成分)が多く含まれているため、健康面でも◎。ぜひ一度食べるべき逸品です!
十勝ロイヤルマンガリッツァ豚を食べるなら「十勝ヒルズ」へ!
そんなマンガリッツァ豚を十勝で堪能できるのが、花・食・農をまるごと満喫できる複合テーマパーク、「十勝ヒルズ」内にある「ファームレストラン ヴィーズ」。地元で獲れた安心・安全な新鮮食材をふんだんに用いたメニューが自慢のレストランでは、5つ星ホテルや大使館の料理人を歴任した一流シェフが腕を振るいます。
しかも、シェフはマンガリッツァ豚の“故郷”、ハンガリー出身だから、“食べられる国宝”の扱い方を熟知しています。十勝の地で惜しみない愛情と時間をかけて繁殖・飼育に成功し、誕生した新ブランド「十勝ロイヤルマンガリッツァ豚」。その素材の良さを前面に押し出した料理の数々に酔いしれてみては?