【台湾情報】気鋭のシェフを招聘してリニューアル!星を狙う台北のファインダイニングその0

【台湾情報】気鋭のシェフを招聘してリニューアル!星を狙う台北のファインダイニング

2023-04-25
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コロナ禍によって、統廃合や閉店などの大変動があった飲食業界。比較的制限の少なかった台湾も大きな影響を受けました。2023年の春、ようやく国内外からの人の流れが正常化に向かい、ハイエンドなダイニングレストランでは、確かなキャリアを持つシェフたちが独創的なメニューを生み出し、世界中から訪れる美食家の期待に応えるべくスタンバイ。3月にリニューアルオープンしたばかりの「JK STUDIO Modern Asia」は、その好例。ミシュラン入りを目指す意欲作の数々が楽しめます。

アジア料理のエッセンスを効かせた、モダンなフュージョン料理を。

アジア料理のエッセンスを効かせた、モダンなフュージョン料理を。
約3年続いたコロナ禍では、さまざまな試練を経験したレストラン業界。コロナ前の日々が戻り、今こそ飛躍のチャンス!と高みを目指すお店が続々と登場しています。高級レストランの激戦区のひとつである信義区で7年もの間、勝ち抜いてきたイタリアン「JK STUDIO新義法料理」は、2023年3月、ファインダイニング「JK STUDIO Modern Asia」としてリニューアル。多くのメディアが取り上げるなど、早くも話題となっています。

総監督に就任したのは、東区の人気フレンチ「Naked 裸餐酒」のシェフを務めたBally佘玟霖氏。2022年の8月、創業者のJerry張偉君氏は彼を招聘し、数ヶ月にわたって打ち合わせを続けました。「台湾にファインダイニングは少なくないけれど、ハイエンド市場に切り込むなら、アジア人向けに特化したファインダイニングにしたい」。そんなJerry氏の要望を受け、Ballyシェフはフランス料理をベースに、日本、タイ、インド、韓国、台湾などアジア各国の美食を融合させたフュージョン料理を提案。

「その国の特徴ある食材を使うだけでなく、私たちが育った環境や旅行中に味わった食べ物の記憶を、美食を通じて蘇らせたいと考えています」とBallyシェフ。創作の基礎として現代美術の感覚を取り入れながら、食材の本質と美的スタイルを示すことで、美食家たちにモダンで極上の世界観に浸れるサービスを提供する…そんなレストランとして「JK STUDIO Modern Asia」が誕生しました。

総監督を務めるBally氏は、人気店で腕を磨いた気鋭のシェフ。

総監督を務めるBally氏は、人気店で腕を磨いた気鋭のシェフ。
Ballyシェフの創り出すメニューは、とても繊細で粋な仕上がり。それは豊かなキャリアによる技量の賜物です。彼は、ホスピタリティとツーリズムを学ぶための国立大・高雄餐旅大学の西洋料理芸術学科を卒業後、台中の人気フレンチ「樂沐」、台北のミシュランの常連「RAW」で確かな基礎と経験を積んだ人物。「JK STUDIO Modern Asia」のリニューアルに際しては、台湾をはじめとしたアジアのさまざまな料理にインスパイアされた、数々のフュージョン料理を生み出しました。

斬新なアイデア&素材選びはフュージョン料理の真骨頂。

斬新なアイデア&素材選びはフュージョン料理の真骨頂。
例えば、コースの三品目「ブリ/きゅうり/トマト」は、ブリの刺身に、台湾料理ではおなじみの冷たいトマトの梅干し漬け、マスカルポーネチーズ、アイスフラワーを添え、きゅうりで作った薄いゼリーを並べたところに、手間暇かけて作られたトマトのクリアスープをかけたもの。澄んだ色味からは想像できないほどコクがあるスープは、その甘酸っぱさに春を感じる味わいです。
【台湾情報】気鋭のシェフを招聘してリニューアル!星を狙う台北のファインダイニングその4
「牛タン/有馬山椒/クワレシダ」は、日本の居酒屋の焼肉を彷彿とさせるメニュー。柔らかく脂がのったタン元を炙り焼きし、炭焼きバター、海苔入りラー油、きのこの揚げ物、有馬山椒などのソースで和えた一皿。トッピングには揚げたクワレシダ。山菜特有の香ばしさとシャキシャキとした食感が絶妙なアクセントとなっています。
Ballyシェフはまた、台湾の軽食・小吃もフィーチャー。お米で作られる客家のきしめん“粄條”に着想を得た「小捲/馬祖淡菜/海鮮湯」は、新鮮なヤリイカとホタテをすりつぶして幅広の麺状にしたものに、ヤリイカと馬祖特産のムール貝の炙り焼きを配し、マイクロコリアンダーとガーリックオイルをトッピング。そこへ魚のアラと煎りエビで取ったクリアなスープをなみなみと。滋味深いコクが比類ない一品です。
研究開発中、数えきれないほどの称賛を受けたという「炊飯/午魚/櫻花蝦」。お米の特性を最大限に引き出すべく採用したのは、新潟産のコシヒカリとシェフ自ら日本から持ち帰った炊飯器。みずみずしく弾力のあるご飯に、桜海老とイクラを混ぜ込み、白身魚のツバメコノシロをオン。皮はパリパリ、身はふっくら柔らか。身をほぐしてご飯と一緒にいただくと、磯の香りが食欲をそそり、一口また一口と箸が止まらないおいしさです。

メインは「和牛頬/酸辣牛汁/羽衣甘藍」と「和羊/香料/杜松子」から選択。“和羊”とは、ニュージーランド産の羊肉。和牛の霜降りのようなサシが入っていることから、和羊と呼ばれている品種です。この和羊のリブ肉の上部ある濃厚な脂身を、黒糖、塩、スパイスミックスでマリネ。インド料理風のスパイシーな味わいが楽しめます。

果物王国台湾、デザートの華やかさは格別です。

メインの後は、ソルベを兼ねたさっぱり甘酸っぱいデザート「愛玉/桃膠/水梨」を。「椰子/西谷米/香蘭花」は、白タピオカ入りのココナッツミルクに、塩づけ卵黄を少々、そして風味づけに使われる熱帯植物のパンダンをトッピングした東南アジア風のデザートです。また「馬告/鳳梨/費南雪」は、台湾のタイヤル族が多用するレアスパイス・馬告(マーガオ)とバターが香るパイナップルフィナンシェ。最後に南投の名間郷のハチミツ龍眼花茶で、ほっとひと息、美食の余韻に浸ってください。

大人の台湾旅の晩餐に選びたいファインダイニング。

内装も大きくリニューアルされていて、店内はシックで静かな大人のレストランといった雰囲気。16席ある個室を含め、客席は全42席。パーティーや宴会のほか、利き酒会などの品評会、記者会見、忘年会などの会場としても利用できます。もちろん、台北の旅の思い出に残る一夜を過ごす食事の場として選んでも。一品一品に凝らされた工夫が食通の心に響くコースは、11品で1人2680元+10%(お酒は別途オーダーが必要です)。話題のファインダイニング、予約が取れるうちに、ぜひ足を運んでみてください。

◆JK STUDIO Modern Asia
住所:台北市信義區基隆路一段147巷5弄13號
電話:+886-2-2766-1891

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