岡山県の歴史スポットを巡る旅へ! 県指定有形文化財の貴重な本堂を遺す「広谷山 無量壽院」その0

岡山県の歴史スポットを巡る旅へ! 県指定有形文化財の貴重な本堂を遺す「広谷山 無量壽院」

提供:広谷山 無量壽院
歴史を今に伝えるスポットが数多く遺る岡山県。なかでも岡山市の東部に立つ「広谷山 無量壽院」は、本堂が県の有形文化財に指定されており、貴重な歴史的建築物などの見どころが豊富。同地域に立つ「西大寺」の行事で使用される宝木(原木)を授ける寺としても有名な「無量壽院」は、岡山の歴史旅で巡るスポットとしてぜひ、足を運んでいただきたい古刹です。


TEXT:小林優子

約1,300年前に創建された岡山市の古刹

約1,300年前に創建された岡山市の古刹

岡山県岡山市の芥子山山腹に鎮座する「無量壽院(むりょうじゅいん)」は、神亀二年(725年)に大倫和尚により創建された、約1,300年の歴史をもつ古刹です。悪疫退散の功徳が高いといわれる「薬師如来坐像」を御本尊としてお祀りしています。

また、同じ岡山市内にある「高野山真言宗別格本山金陵山 西大寺」とゆかりが深く、「西大寺会陽」と呼ばれる行事、いわゆる「裸祭り」の際には、“宝木”の原木を授与する寺として、例年、「無量壽院」が大役を果たしています。

一方、「無量壽院」独自で行う会陽は、雄々しい「裸祭り」として知られる「西大寺」の会陽とは異なり、福引きや餅投げ、地元の子どもたちによるイベントなどが催され、地域に根差したお祭りとして多くの人に親しまれています。

「西大寺会陽」で使う宝木の原木を授与するお寺

「西大寺会陽」で使う宝木の原木を授与するお寺

歴史ある「西大寺」の会陽は、福を呼ぶと言われる宝木を裸の男たちが激しく奪い合う姿が印象的な行事です。この「西大寺会陽」で使われる“宝木”の原木は、「無量壽院」の住職が寺の立つ芥子山から採って授けたもので、その採取場所は住職に代々伝えられてきました。

宝木の原木を「西大寺」の使者に授与する「宝木取り」の儀式では、提灯の明かりを頼りにして、真夜中に「西大寺」と「無量壽院」の間を無言で往復する神秘的な光景が見られます。「西大寺会陽」が執り行われるのは、毎年2月の第3土曜日、「無量壽院」の「芥子山会陽」は毎年4月の第3日曜日に開催され、多くの人で賑わいます。

また、会陽で授与される「西大寺」の御朱印と、繊細なデザインが美しい「無量壽院」の「切絵御朱印」は対になっており、両寺院合わせて一つの絵になる仕様。両参りの証として御朱印を集めてみてはいかがでしょうか。

中世の意匠が見られる貴重な歴史的建造物

中世の意匠が見られる貴重な歴史的建造物

古き時代の建築物が遺された「無量壽院」の境内には見どころが多く、荘厳な出で立ちの本堂は岡山県の有形文化財に指定されています。本堂は明和5(1768)年に再建されましたが、時代を遡った14世紀ごろの部材がところどころに再利用されており、なかでも内陣折り上げ小組天井には貴重な中世寺院の意匠が見られます。七福神の像や鐘楼も見事な造りです。

さらに、「無量壽院」を出て、高台から境内を見渡す景色も圧巻。移り行く季節に合わせて四季折々に赴きある様相を変えていき、なかでも春は一面に咲き誇る桜が「無量壽院」を美しく彩ります。ぜひ、現地を訪れ、古き意匠を遺す「無量壽院」の厳かな雰囲気をじっくり味わい、価値ある文化財を堪能してください。


芥子山から「西大寺」を見守り続ける古刹

芥子山から「西大寺」を見守り続ける古刹

「無量壽院」のある芥子山からは、「西大寺」を中心に形成された寺町の名残をとどめる広大な街並みを一望することができ、これまで紡いできた歴史を感じ取ることができます。この、岡山市東区で有力な寺院として知られる「西大寺」を長い歳月をかけて高台から見守ってきたのが、現在も「西大寺会陽」を通して繋がりの深い「無量壽院」です。芥子山から望む、開けた雄大な景色は岡山の歴史を辿る旅の締めくくりにぴったり。

いつ訪れても四季折々の風情に魅せられる芥子山の「無量壽院」を目指し、岡山の歴史スポット巡りに出かけてみてはいかがでしょうか。


◆広谷山 無量壽院(ヒロタニサン ムリョウジュイン)
住所:岡山県岡山市東区広谷135
電話番号:086-942-4340
営業時間:0:00~24:00※24時間営業
定休日:無休
アクセス/車:岡山県道397号寒河本庄岡山線君津ICより約15分、電車:JR赤穂線西大寺駅より車で約10分

広谷山 無量壽院

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