「sweet」(宝島社)や「MAQUIA」(集英社)など、数々の雑誌やCMを中心にファッション&ビューティーモデルとして活躍中のNOMAさん。ファッションを魅せる職業だからこそ、旅先でもシーンに合わせた洋服を楽しんだり、着回しを考えたりと工夫がいっぱい。今回は、旅行中のコーディネートのコツを伺います。
文/Sachia
Interview Photo/中川文作
コンパクトさや機能性、着回しが効くかでセレクト
――旅先ではスーツケースやリュックなどに収まるようにと、持っていくアイテムが限られてしまいますが、服の選定ポイントはありますか?
なるべくかさばらないような、小さくまとまる素材の服を選んでいます。例えばシルクブラウスは、くるくると丸めるとすごくコンパクトになります。こういうトップスは美術館などモードな場所にも合うし、お洒落なレストランなどクラシカルな場所にも着ていけるので重宝しますね。また、パーカーやカーディガンなどは羽織るだけでコーディネートの雰囲気を変えられるので、必ず持っていきます。その分、ボトムは着回しのできるシンプルなものを選んでいますね。
そしてこれらと同じくらい大切なのが機能性ですね。ラバーシューズブランド「メリッサ」のサンダルは濡れても平気なので海辺で役立ちますし、軽くて場所を取らないエコバッグは私にとって旅の必需品です。
旅先でどんなことが起こるかを想像する
――NOMAさんは国内外問わず出かけ、行先も山海や街、ミュージアムなどさまざま。どこに行くかによってもファッションは変わりますか?
そうですね、行先によってどんなシーンがあるか想像するので、コーディネートは変わってきます。例えばハワイだったら、海に行くかもしれない、現地で仲良くなった人とお洒落なレストランに行くかもしれない。そう考えたら水着の上にさらりと着れるカジュアルな服も、上品な服も必要ですよね。
そういった旅先で起こり得るあらゆることを想像して、コンパクトなものをチョイスしつつ、さまざまなオケージョンに対応できるような服選びをするようにしています。旅って準備から始まっていると思うんです。
これは美術館行った時の一枚。美術館ではアートっぽい幾何学模様のワンピースが可愛いと思い、持っていきました!
辺境の地では温度管理をしっかり
――リゾート地だけでなく、スリランカやネパールの山間など辺境の地に行かれることも多いそうですが、その時に注意していることはありますか?
辺境の地では滞在先の近くにお店がないので、何かが不足した時にすぐ買うということができないんです。だからこそ持っていくもの、着ていくものは都会と違ってより重要になってきます。
特に大事なのは温度管理です。寒さや暑さがストレスになってしまうと、せっかくの景色や人との触れ合いが楽しめなくなってしまう。だからこそ森の中や海辺など朝晩で気温の差が激しいところでは、脱いだり着たりすれば温度調節がきくアウターは必須アイテムです。お気に入りで何着か持っているレザーのジャケットは風を通さないので、肌寒い時には頼もしい存在になります。
それと、山の中に入る時は歩きやすくて濡れてもいいようなブーツにしたり、長時間歩く時はスニーカーにしたりとシューズにもこだわっています。
――自分が快適に過ごせることと、より気持ちを高めてくれるコーディネートを考えることが旅の楽しさを倍増させるコツなんですね。
◆NOMA(のーま)
佐賀県生まれ。シシリア系アメリカ人と日本人のハーフ。大学時代に初めて行ったインド旅行で一人旅に目覚める。モデルやTV、CMで活躍しながらも旅を続け、旅エッセイ本「ノーマのきらきら紀行」(KKベストセラーズ)を出版。2012年以降は食用植物の知識を活かして、ダイニングレストランやカフェをプロデュース。
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