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<動画つき>西海岸の長ーい沖永良部島で、さすがの夕景三昧【連載第47回】
<動画つき>西海岸の長ーい沖永良部島で、さすがの夕景三昧【連載第47回】
沖永良部の大好きなところのひとつは、日の入りを拝める西向きの海岸がたくさんあることです。しかも!! それぞれの地形に違う特徴があるから、いつも新しい表情の夕景に出会えるんですよ。日々感動に包まれて、あなたもきっと、これまで以上に旅の夕焼け時間が愛おしくなっちゃうかもしれません。
Text&Photo:とまこ
澄み切った住吉漁港で、テトラポットと夕日のコラボレーション
住吉港で夕焼けにひたる魅力は、太陽が積み重ねられたテトラポットとのシルエットと重なってユニークな美しさを発揮することです。大いなる自然と人工物との対比は、時にとっても絵になりますね。もちろん、季節や角度にもよりますが、西に向かってこんもり積まれているので実現する可能性はわりとあります。
それにしても、テトラポットって不思議な存在! 個人的には心惹かれるので、一定数のテトラポットファンがいることに納得しています。ひとつひとつのユニークな形と大きさ、積み重ねられた無造作感が、ある種の異様さを醸し出しているように思えるんです、気になってほっておけません。もしも巨大ヒトデが深海に潜んでいたら、きっとこんな形だろうなぁ……とか、妄想が進むSFチックな雰囲気がたまりません(笑)。
住吉港に訪れる魅力はもうひとつ。ここの水、とても澄んで見えるのです。防波堤内の波のない静かな水面に斜めの西陽が当たると、キラキラとさらに美しく輝くんですよ。
「せごとん」の撮影地、正名ビーチの秘密基地感がたまらない
正名ビーチはNHKの大河ドラマ「せごどん」の撮影地となり、知られはじめたビーチです。ゴツゴツと背の高い岩に囲まれた狭い一帯は、洞窟もあって秘密基地みたい。他に人がいても、なぜか自分の陣地感があるんですよね、愛着のわきやすい環境な気がします。
波打ち際の海底は岩ばっていてゴツゴツ。潮が引き気味の時は海底の溝が水たまりになり、波の影響をほとんど受けず、海面は鏡状態に。焼けた空が写り込んで……言葉を失っちゃうでしょうねぇ。ぜひ一度、タイミングをみて訪れていただきたいです。
上にも下にも夕焼けが。大ーきな水溜りに空が映り込むビーチ
ここも海底がゴツゴツして、海水の水溜りができるのが美しいところです。正名と違うのは波打ち際の長さと、水溜りの大きさ。何にも遮られない大きな夕日が、上にも下にも広がります。
この日はオレンジに染まった雲と青い空が水溜りに映り込んだんです。海面の様子はとってもなめらかで、もうまるでアンズを中に沈めたソーダ味のゼリーみたい。触れるとぷるるんと反応が返ってきそうな質感に見とれました。
東方面をむいたときも、やっぱり空が写り込んでいてうっとり。西から放たれた赤い光を、東の空の雲が逃すまいとしっかりキャッチ。「でかした!」とねぎらいたくなる美しさです。
壮絶壮大な崖っぷちに陽が沈む。ヤギしかいない穴場スポット
ここは、壮絶なまでの崖っぷりが売りです! 写真の右端の崖の上に白い点が見えますか? それがわたしです。この崖地帯の規模がよくわかるでしょう。しかも人がまるでいないんです、穴場っていうのもなんだかうれしくなりませんか。でもヤギファミリーはたくさんいるので先駆けではないのですが。
すぐそこの崖っぷちのガタガタのラインと、遠い果てのスムーズな水平線が平行に並びます。そこへだんだんと太陽が落っこちて来て、もう自分がどこにいるのかわからなくなる壮大さ。繰り返しますが、ここにはヤギファミリーしかいません、心置き無く口をぽかんと開け、全力で脱力して、なんならゴロンと寝っ転がって、地球の出来事を堪能してください。
防波堤から見下ろす波がかっこいい。行きやすい知名港で最高の夕焼けを
これから冬に向かう季節、ますます日の入りを拝みやすくなるのが島の南に位置する知名港です。知名の街中にあるので行きやすいのもうれしいポイントですね。
なにより、防波堤の上を歩けるのが大きな魅力。ザッパンドッパン、迫力満点で打ち付ける波を、涼しい顔して安全な防波堤の上から眺め下ろすって、なんか優越感です(笑)。いつまでもキリなく見守っていたくなってしまうんですよね。波の引きはいろんな意味で強力なんですね。そして西へ振り向くと、港の中の穏やかな海と、その向こうに沈みゆく太陽。この対比もまた良いんです。
観光の後、宿に帰ってからでもすぐに出直せる立地と、防波堤の上の四方八方見渡せるポジショニングで、最高の夕日を見つけてください。
おわりに
沖永良部は小さな島なのに、こんなにいろんなシチュエーションで夕日を堪能できるってすごいことだと思います。日々壮大なお楽しみが待っている島、神秘的ですね。リフレッシュ効果絶大! あなたもぜひ訪れてみて下さい。
◆とまこ
明治大学在学中からバックパッカーとしてデビューし、卒業後は秘境ツアーコンダクターに。現在は旅作家&おしゃれパッカーとして本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍中。著書に『離婚して、インド』(幻冬舎文庫)、『世界の国で美しくなる!』(幻冬舎)、『台湾で朝食を 日常よ、さようなら!』(メディアパル)など既刊12冊。2018年5月14日には奄美観光大使に就任。
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